医学が進歩して日本人の平均寿命が延びる一方で、自律機能の衰えたお年寄りや、寝たきりのお年寄りが増えています。こうしたお年寄りの介護、看護を社会全体で支えるしくみが必要になってきました。
それは同時に、ケアをする側の人たちの負担をできるだけ軽くすることでもあります。その負担は、肉体的なものだけでなく、精神的、心理的なものもあります。なかでも、これまで無視されたり、仕方がないとされていたのが、臭いの問題です。
ニオイは介護をする側だけでなく、介護されるお年寄りにとっても、大きな心理的負担になります。ただでさえ、身の回りの世話をさせて申し訳ない、はずかしいと思う上に、さらに自分の体臭や排泄物のニオイが迷惑ではないか、と周囲に気がねするお年寄りの胸の内は、悩みが二重にも三重にもなっているのです。
これまで介護のニオイは介護する側、される側の両方に関わるものでありながら、それでいて「口には出しにくい」ことでした。しかし、このニオイの問題を、いつまでも無視したり諦めたりしているわけにはいきません。
「臭いものにフタ」ではなく、ニオイに正面から取り組み、高齢者の「ニオイ介護」の具体的方法、「ニオイケア」の技術を確立する時期がきたと感じます。
ここでは、介護現場でのニオイについて、身近な工夫で簡単にできる対策をご紹介しています。
なお、以下のニオイケアガイドは、「【イラスト版】介護・臭いで困っていませんか」の内容を一部抜粋したものです。この本では、豊富なイラストでケアの具体的方法をわかりやすく紹介しています。ぜひ、ニオイケアのガイドブックとしてご利用ください。「楽しくなければ介護じゃない!」もあわせてお読みください。
介護のニオイケアに関するガイド
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