体臭・多汗に悩む方の心と体の心療室 ニオイの介護

 

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痴呆の弄便のケア


 

弄便の理由は?
 痴呆のお年寄りが自分の便をもてあそぶ弄便は、周囲を一番悩ませる行為でしょう。自分の排泄物を触り、顔や壁や畳に塗りつけたり、押入れに便を隠したりすると、部屋には悪臭が染みついてしまいます。
 まずは、介護を工夫して弄便を防ぐことです。そのためには弄便の理由を知ることが必要です。
 弄便は、お年寄りが幼児の頃に戻って、泥んこ遊びや粘土遊びのつもりで便をいじるようになるのだと説明されています。しかし、排泄物に対する「嫌なニオイ」と「気持ちの悪い肌触り」が原因のことも多いのです。
 人間は誰しも排泄物やそのニオイに恥ずかしさや嫌悪感を持っています。一方で、痴呆症になって理性や感覚が鈍っても、嗅覚や触覚は比較的保たれています。
 オムツに便をしたのに取り替えてもらえないことが続くと、臭いニオイや気持ちの悪さを自分でなんとか処理しようとして便を掴んでしまう。あるいは、失禁を知られるのが嫌で、なんとかこっそり片付けようとしているうちに何をしているか忘れてしまい、パニックになり、便を隠そうして家中に塗り込んでしまうのではないでしょうか。

 

不快にさせないのがポイント
 ですから、弄便の予防は、失禁したお年寄りを不快な気持ちにさせないことです。たとえ失禁してしまっても、決して叱ったり慌てたりしないことです。恥をかかせてはいけません。世間話でもしながら、さりげなく清拭をしてあげてください。
 こうして便に対する嫌悪感や恥ずかしさを抱かせないようにすることで、パニックもなく、ひいては弄便を防ぐことができるのです。
 また、こまめに排便誘導して便を出すリズムをつくり、部屋では便がでないようにすることも大事です。

 


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