投稿者名:五味院長
タイトル:漢方と多汗
わたしが、なぜ漢方薬をお薦めしたかといいますと、中医学ではもともと
「汗のかき方」が漢方の処方のための診断の際に重視されているからです。
西洋医学では、汗のかき方など問題にすることはありません。内科の病院に初診で行ったとき「寝汗は?」とか「どこに汗が多いですか」などと問診されたことはまずないでしょう。
しかし中医学では、有汗、発熱は裏熱であるとか、自汗は陽虚、気虚であるとか、盗汗は陰虚であるなどと汗の状態がその人の体質(証といいます)を決定するための重要な情報として考えられてきたのです。
漢方では、例え病気の症状がなくても証が決まれば、漢方の処方が決まるのです。
そして、ここが重要なのですが、正しい証に対して正しい処方(つまり漢方の方剤)がされるなら、ある一定期間以上の服用で陰陽のバランスがとれた体質に変化するということです。
つまり、仮に(わたしにはわかりませんが)今あなたの多汗が、陰と陽のどちらかが強くどちらかが弱いため(またはどちらも強すぎるため)にバランスがくずれているのであるなら、漢方でバランスがとれた体質になることで、結果的に(つまり汗を抑えることを目的にしなくても)あなたの体はもう多くの汗をかく必要はなくなったわけです。
しかし漢方で必ず汗が少なくなるわけではありません。
もし、今あなたの体が、汗を多くかくことで、陰陽のバランスをとっているなら、漢方ではそのようなバランスをくずす処方は存在しないからです。
このように、漢方の処方は専門家でないと非常にむずかしいのです。
今は、北里大学などで専門の漢方外来があります。
漢方は持続して服用することが必要ですから、ご自分の家の近くの大学病院の専門外来を受診するのがよいでしょう。
塩化アルミニウムについては、過去ログで詳しく説明しましたのでそちらを参考にしてください。
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