投稿者名:五味院長
タイトル:頭の匂いについて
のりこ様
頭の臭いについて私の答えられる範囲で説明します。
頭の臭いには「頭皮の臭い」と「頭髪の臭い」とがあり、原因が全く異なります。
頭髪の臭いは、髪そのものの臭いというより周囲の空気に浮遊しているニオイ物質を髪の毛が吸着することが原因です。
女性のような長い髪はその表面積を合計すると体表にも匹敵するほどの広さがあり、ニオイ物質にとっては最高の隠れ家となります。
特に枝毛や切れ毛などで髪の周囲のキューチクルというケラチン部分が傷ついているとニオイ分子は強固に付着し持続的に臭いを発散するようになります。
このような、頭髪の臭いは、洗髪のしすぎやドライヤーでの乱暴な乾燥、界面活性作用のつよすぎるシャンプーの使いすぎなどで生じます。
しかしあなたの悩みは、髪の臭いではなく「頭皮の臭い」のようですね。
頭皮の臭いは、頭髪の臭いと異なり、頭皮そのものに原因があります。
まず第一は、「フケ」です。フケは頭皮の角質細胞が新陳代謝によって剥げ落ちたものに皮脂の分解酸化物が混合されてできます。
フケそのものにはさほど臭いは出さないのですが、「湿性フケ」となったり、皮脂からの分泌がさかんとなったり、また頭皮にピツロスポルムという細菌が増殖すると皮膚の炎症を起しやすくなり、臭いが強くなります。
のりこさんの場合には、「ふけ自体がぬか状」ということですので「湿性のフケ」といってもよいでしょう。
湿性のフケは、治療により改善されることがありますから、一度皮膚科を受診してみることをお薦めします。
その時、皮膚科の先生にどのような「フケ取りシャンプー」がよいかアドバイスをうけられてください。ジンクピリチオン、ヒノキチオール、サリチル酸などの配合のシャンプーがフケ症に効果あるからです。
さらに、のりこさんは皮脂腺の分泌が女性のわりにはさかんのようですから食事に注意してください。和食をこころがけているということですが、「油」の取り方が皮脂腺には大切です。この点については、過去ログの「油と体臭」の部分を参考にしてください。
洗髪の仕方も大切です。まずシャンプーはしすぎないことです。シャンプのし過ぎは、健康な皮脂膜まで壊してしまい逆にフケができやすくなるからです。
そしてシャンプーの後は、よくすすぐこと。シャンプー剤が残ることも地肌の荒れやフケの原因になります。
さらに髪の洗い方にもコツがあります。洗髪と言うものの洗うのは、髪の毛でなく地肌の方を中心にしてください。
皮脂膜は古くなると雑菌の温床になり臭いが強くなります。
この古い皮脂膜を上手に除くためには、頭皮をマッサージするように爪を立てずに指のはらで柔らかくもんでください。
以上ですが、わたしの専門外の部分もありますので、皮膚科の先生によく相談して対処するようにしてください。
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