ワキガ・体臭・多汗 診察室
まずはカウンセリング …医師は患者さんを、患者さんは治療を知る
体臭・多汗の治療にあたって、カウンセリングは非常に大切です。次の二つの点で、カウンセリングは重要な役割を果たします。
第一に、治療法の選択にあたっては、患者さんの精神的、身体的状況を十分理解する必要があります。
たとえば、同じ体臭の悩みであっても、糖尿病が原因であれば、内科的な治療が必要ですが、悩みの原因が心身症によるものであれば、精神療法が必要です。明かなワキガ体質の場合には、手術療法が最良の選択である、といったこともあります。
ではワキガで悩んでいる人は全員手術すべきか、といえば、そうとは言い切れません。同じようにワキガに悩んでいる人でも、個人個人の性格や体質、悩みの程度、環境、どのようになりたいか、という要求内容、どの程度治りたいかという要求水準などに個人差があるので、当然、治療法も違ってしかるべきなのです。
患者さんにあった治療方法を選択するためにも、医師は治療の前に時間をかけて問診を行い、患者さんの訴えをよく聞き、その要求内容を十分理解し、性格や体質も十分に把握しなければなりません。医師がそのように患者さんの状況を客観的に理解しようと努めることで、医師と患者さんの間の信頼関係も生まれます。治療にあたっては、医師と患者さんの信頼関係が非常に大切です。
第二に、治療に入る前に、選んだ治療法がどのようなもので、どういう効果や結果をもたらすのかを、患者さんに正確に伝える必要があります。
これを怠ると、患者さんが手術後に十分な満足感が得られない場合が出てきます。
たとえば、手術で脇の下の多汗を治療する場合、患者さんによって術後の効果にかなりの開きが出ます。明かなワキガ体質の人であれば70〜90%の減汗効果が得られますが、精神的発汗の場合にはおおよそ50%程度の減汗となります。また、同じ70%の減汗でも、人によって受け止め方が違い、十分満足する人もいれば、そうでない人もいます。
そうしたことをあらかじめよく説明して、得られるであろう効果について、本人が納得した上で手術をしなければなりません。
五味クリニックでは、上記の二点、患者さんにあった治療法の選択、治療の効果についての十分な説明、を行うためにも、カウンセリングを重視しています。
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