投稿者名:五味院長
タイトル:自分で臭いがわからない場合
APAさん。
自分では多少は汗くさい臭いがすることは感じていても、まさか人に迷惑がかる程のわきが臭があるとは思っていない人が、突然他人からそのような事実を指摘されショックを受けることはよくあることです。
しかし、あなたの場合にはそのようにはっきりと指摘してくれる上司がいたことはむしろ幸運であったといえるかもしれません。
なぜなら、メールの内容(特に耳垢の状態)から判断すると、やはりわきが臭が比較的強いタイプの可能性もあり、しかも、あなたの接客業としての仕事内容を考慮すると、「ニオイ」の問題を完全には無視できない面もありそうだからです。
自分や家族がその「わきが臭の程度」がわからないケースには3つ理由があります。
一つはあたりまえですが、わきがでない人やアポクリン腺が存在してもわきがの程度が軽い人です。
次は、嗅覚が減退したり、正常でも嗅覚的にわきが臭を特異的に感じることのできない人(嗅覚脱失)です。
3番目が、逆に、わきが臭が非常に強い場合に、嗅覚が順応(疲労)を起こしてそのニオイを意識できなくなった場合です。あなたの場合には、多分このケースに該当するのではないかと思います。お母さんがわからないのも、同様の理由からでしょう。
いずれにせよ、治療が必要かどうかは、あなたの生活上でわきが臭がどの程度ハンディーになるかということでしょう。
店長さんがはっきりと言ってくれたのは、多分お客さんからそのような指摘を暗に受けたからでなないでしょうか。
美容師さんや歯科技工士さんのように、腋の部分が直接お客さんの顔面に近くにくるような職業では、上司の人がエチケットとして、その人のためを考えて手術を薦めるお店もあるようです。
(わたしのクリニックの患者さんでも美容師さんは非常に多いです)
しかし、すぐ手術に結びつける必要はありません。
メールから推察しますと、あなたは今まで比較的デオドラントには関心がなかったようですので、まず市販の制汗剤で清潔を保つように心がけてください。
最近はかなり効果が持続するデオドラント剤も市販されています。
まず、資生堂から販売された銀配合のものを試してみてください。
それでもなお効果が無い場合には、わたしが責任をもって手術をいたしましょう。
九州の人に場合には、手術日のみ大阪のクリニックに来てください。私自身が大阪まで行く手術日があります。
その後の処置は、博多にわたしの友人が外科を開業していますので、その先生に抜糸等はお願いしています。もうすでにかなりに患者さんを紹介していますので、彼は「術後の処置の専門医」と言えるくらいよく分かっていますので安心しておまかせできます。
いずれにせよ、物事は前向きに考えることです。あなたの場合も、一時的にはショックかもしれませんが、腋臭はデオドラント剤や簡単な電気凝固法である程度抑える事が可能であり、手術をすれば100%完全に治せるのですから、これをプラス思考で自分のキャリアアップの機会にすることも大切でしょう。
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