投稿者名:五味院長
タイトル:耳垢が軟らかいということ
めぐさん。
この掲示板を全て読まれるとお分かりのように、「におい」というものは、本人だけでなくその家族や恋人を含めたさまざまな人々に色々な感情を抱かせるものなのです。
例えば、あなたのご主人が多少「頭が薄く」なってきてもそのことであなたが「過剰に気になる」ことはないでしょう。
でも「におい」や「体臭」は違うのです。
その理由は、「ニオイ」というものの特性によるのです。
視覚なら、見たくないものなら目をつぶればよいでしょう。
聴覚なら、聞きたくないものなら、耳をおさえればよいでしょう。
でも嗅覚に関するニオイは、「見ざる」「聞ざる」「言わざる」ということは不可能なのです。
漂った匂いは「嗅がない」わけにはいきませんし、「臭いものに蓋」というわけにもいきません。
これが、たとえご主人のことであっても、一緒に生活を共にする夫婦であれば、まるで自分のことのように気になってしまう理由なのです。
でも、逆に言えば、あなたがご主人の「体臭」に対してそのような「反応」をするということは、あなたがご主人の体臭を人事でなく身内として自分の問題として「共有」していることの証なのです。
あなたにとってご主人の体臭は、あなたの体臭の一部でもあるかの感情を抱いているとも言えるでしょう。
つまり「愛」なのです。
「お互いのニオイを共有できる」ことは、言葉で表現できないような「愛の表現」でもあるとわたしは思います。
このことをご質問にお答えする前にまず分かっていただきたいと思います。
前座が長くなりましたが、結論から言えば「耳垢がかなり軟らかい」場合には、腋の下のアポクリン腺が通常の人よりは多く存在していると「推定」して「ほぼ」間違いないでしょう。
もう一つの汗腺であるエクリン腺は体全体に分布しているのですが、例外があり、それは「唇」「爪の下」「亀頭やクリトリス」、そして「耳に中」なのです。
つまり、耳垢が軟らかいということは、外耳にはエクリン腺がないのですから、皮脂腺が非常に発達している場合や内耳からの分泌物が多い場合などを除けば、そこにアポクリン腺が存在してその分泌物が耳垢を軟らかくしている証拠なのです。
耳に中にアポクリン腺があるということは、当然ながら「腋の下」にもあるということが帰納的に「推定」できるのです。
しかし、これはあくまで「推定」(正確診断は検査が必要です)であって耳垢が軟らかいから即「ワキガ」であるということは言えません。
なぜなら、腋の下に多少のアポクリン腺があっても他人に分からない程度なら問題はありませんし、アポクリン腺にもニオイを多く出すタイプと汗を多く出すタイプとがあり、後者ではアポクリン腺がたくさんあっても「腋臭」とは言えないからです。
さらに「本人」が気にしていない場合には、これはもう「わきが」でも「腋臭」とも言えません。
なぜなら、そのようなケースでは「何かを治したり、何かを変えたり」するという必然性が全くないからです。
ここが「におい」のもう一つの特性でもあるのです。
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