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             投稿者名:五味院長 
            タイトル:暑熱順化の応用について 
             
              
             
              少年さん。 
              
            夏のことを冬に考えるという長期的視野が大切です。 
              しかも「夏の汗対策」は夏本番になる前から行うことが必要ですから、あなたの質問は決して季節はずれではありません。 
              
            さて、いつも暑いところで住んでいる熱帯地方の人はあまり汗をかかないかという質問ですが、本当です。 
            これは「長期暑熱順化」と言う現象です。 
              つまり、長年暑いところで生活していると基礎代謝が低くなり熱の産生が少なくなったり、皮膚の血流量が増して皮膚温が上がり、熱の放出が盛んになるため、汗そのものをかく必要性が少なくなるのです。 
              
            しかも、熱いところで生活していると自然に汗腺が訓練されて、より塩分の少ない、少量の発汗でも体温の調節ができるように汗腺機能が高まるのです。 
              
            ですから、このことは夏の汗対策にも応用できるのです。 
              つまり、夏本番になる前から「短期暑熱順化」という汗腺の機能訓練をするのです。 
              具体的には、春先から有酸素運動を始めて、同時に一日30分くらい熱い湯での下腿と前腕の汗腺訓練をして、梅雨時からはクーラーを使わない生活で全身の汗腺を暑さに慣らすのです。 
              当然夏は、出来るだけ冷房に頼らない生活を心がけます。 
              
            このような生活を数年続けると結果的には、熱帯地方の人の「長期暑熱順化」と同様な汗腺が出来上がってくるのです。 
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