投稿者名:五味院長
タイトル:不安なのが当たり前なのです。
Y・Yさん。
あなたは、手術に不安や恐怖を抱くことを、なにか性格的な欠点や弱さのためというふうに考えていますが、それは間違いです。
手術は、だれでも怖いのです。できればそのような怖いことをだれだってしたくはありません。
先日、歯医者さんで歯の治療を受けた時、あの例のギリギリのドリルをされている間中わたしの足は震えていました。
歯に麻酔をされそうになった時、おもわず「先生、お手柔らかにお願いします」と懇願してしまいました。毎日手術で麻酔をしている、医者の私でさえこのありさまです。
まして、手術など一生に一度か二度の出来事でしょう。
怖がるのが当たり前です。
不安なのが当たり前です。
そのことで、決して自分を弱い人間のように思う必要はありません。
それでも、あなたにとってやはり「汗を止めたい」という願いは深刻だと思います。
ただ今回の質問を拝見して感じたのは、あなたにとっての「汗の問題」は、あなたの「メンタルな問題」と切り離して考えることは出来ないようです。
多汗の悩みはあなたの生活全般での心の葛藤の一つのようですね。
それに、あなたは「汗を減らしたい」だけではなく「汗を止めたい」と思っているようですので、やはり手術療法以外の方法を考えた方がよいでしょう。
あなたが、ワキガ型多汗であれば、「ほぼ止める」くらいの汗は減りますが、あなたのケースは精神性発汗タイプですので、多分60%から70%の減汗効果だからです。
さて、そこであなたの場合にはやはり精神性発汗の治療のファーストチョイスである「自律訓練法」を試みたらどうでしょうか。
自律訓練法の仕方については、わたしの「もう汗で悩まない」という本にも説明してありますし、本屋さんでは、もっと詳しいものもたくさんあります。
また、自分でも出来ますが、やはり最初は「心療内科」などで専門のセラピストから指導を受けられるのが良いと思います。
ただし、これは前にも言いましたが、自律訓練法をするとき絶対に「汗を減らすこと」を目標にしてはいけません。
汗は、減らそうとすればよけい出てくるからです。
治療の目的はあくまで汗が出ても「安心すること」です。
つまり、あなたの心のなかでかなりの部分をしめている「不安」と決別することなのです。
このことを忘れないように頑張ってみてください。
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