投稿者名:五味院長
タイトル:エクリン腺のニオイ成分について
meさん。
エクリン腺の汗は、たしかにそのほとんどが水分です。
しかし、もう少し細かく分析していくと、ナトリウム、カリウム、カルシウムといった血漿成分も含まれています。
さらに、非常に微量ですが、臭いの元になる物質もあります。
その第一は、重炭酸イオンです。これは汗をアルカリにして細菌の繁殖を助長して、汗くささを強くする成分です。
さらに、アンモニアや尿素、また汗の臭いを特徴となるイソ吉草酸などの脂肪酸も含まれてします。
ですから、汗は実は無臭ではなく、いわゆる「汗くささ」はあるのです。
しかし、この臭いは明らかにわきが臭とはことなり、生きているかぎりだれにもある普通の臭いです。
お互い様ですから、「クサイ」と差別される筋合いはないニオイです。
しかし、例えば「悪い汗」をかいた時や、皮膚の血行が悪い時、体のなにかの疾患があるときなどは、汗のアルカリ度が高まったり、アンモニアが増えたりして、汗くささよりも強い臭いが体臭として感じられ、他人を不快にすることもあります。
でもこのような時でさえ、アポクリン腺の臭いとは明らかな差があり、明確に区別することは可能です。
アポクリン腺の「数」は生まれたときから体質によって変わりません。数が増えたり逆に減ったりすることはないのです。
しかし、その大きさや分泌能は成長とともに大きくなったり、またはホルモンの影響をうけ一時的に分泌が盛んになったりすることはあります。
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