投稿者名:五味院長
タイトル:おわびいたします
アツシさん
わたしは、今あなたに対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。
記載の情報に限りがある点を差し引いてもカウンセラーとしては失格です。
わたしは確かに、あなたの相談が今までの多くの相談者とは異るのではないかと思いました。でも今、あなたの心に残る幼いころの体験の話を知ってわたしの判断は全く間違っていることに気づきました。
わたしがあのような質問をしたのは、あなたの求めていることが「体質」という生まれながらの特性を変えることであり、その体質を「隠す」こと自体に後ろめたさを感じて悩んでいるのではないかと想像したからです。
あの段階でのわたしの用意した回答(しなくてよかったです)は、次のようなものでした。
『あなたには手術はお勧めできません。なぜなら、手術で腋臭が完全に解消したとしても、あなたには「手術」で腋臭を「治した」という後ろめたさが残るからです。その場合、あなたにとって「制汗剤」が「手術」に置き換わっただけだからです』
わたしは、誤解をしていました。
でもひとつだけ言わしてください。
あなたのトラウマは、そのような体験のないわたしたちには想像もできないすさまじいものだったでしょう。
でもわたし達が(少なくともわたしは)、今あなたの2通の手紙を通じて感ずることは、あなたは今までの社会生活の過程で、「ホリスティック」な意味ですが、既にトラウマを克服しているように思えるのです。
たぶんあなたのがんばりからは、周囲のだれもが広告業で徹夜でがんばっているあなたがそのようなトラウマから生活に疲れているとは思いもつかないでしょう。
でもわたしは今本当のあなたの心を知ってしまいました。
トラウマを抱えながら必死で生きてきたあなた。
だからこそ、わたしはそのようなアツシさんが好きです。
そのようなアツシさんはすばらしいと思います。
多分あなたは、今まで誰にもこのようなトラウマの体験を告白したことはなかったのではないでしょうか。
大変な決心があったことでしょう。
でも今あなたは、そのような心の深遠にあった感情を明らかににしました。
この時点で、もうあなたの「悩み」はあなただけのものではありません。
あなただけに特殊なものでもありません。
あなたはみんなと同じように「体臭そのもの」でも悩んでいるのです。
そのようなあなたなら、わたしは他の人と同じように次のような回答を用意しましょう。
それは、あなたが体臭から開放されることで今までの過去の記憶を一掃し、今まで以上にすばらしいあなたになれるなら、わたしのできることであなたに協力したいということです。
その「わたしのできること」とは「あなたの腋臭を完全に取り去る」わたしの外科的技術です。
あなたにとってその技術が本当に必要か否かは、あなた次第です。
腋臭が完全になくなることの意味はあなたしか知りません。
ですから、この回答があなたにとって最善の選択かはわかりません。
でもあなたにとって「制汗剤」以外にもうひとつの選択が増えたのです。その意味は大きいと思います。
急ぐ必要はありません。じっくりと考えてください。
そして制汗剤以外の選択をしたときは、ぜひわたしに相談をしてください。責任をもって対応したいと思います。
次には、生きることに疲れるアツシさんでなく、元気に生きてゆくアツシさんの書き込みを期待しています。
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