投稿者名:五味院長
タイトル:タバコと体臭との関係の補足
馬吉さん
ニオイと格闘しながらも、お元気そうで安心しました。
ご返事がおくれてすみませんでした。
わたしは、この掲示板の回答と格闘しております。
さて馬吉さんのご質問が大変高度になりつつありわたしも返答にこまるようになりつつあります。
しかしそこはニオイの専門家としてしっかりとお答えいなければなりません。
まず、タバコが体臭を増加する一般的な理由については「過去ログ」に詳しく説明してありますので参考にしてください。
そしてあなたの質問の「解糖系」と喫煙との関係ですが、じつはここにも間接的にはあるのです。タバコの中には、ニコチン以外にも一酸化炭素、二酸化炭素、タールなどの刺激物が含まれていますが、これらが肺へ吸収されたときの吸気の酸素濃度は当然新鮮な空気だけを吸った時よりも血液中の酸素飽和度は低くなり、末梢皮膚組織の血液中の酸素も低下して、汗腺の活動のエネルギーを「クエン酸回路」でなく「解糖系」から得ようとします。
解答系では、代謝産物として乳酸が産生されるためそれに比例して汗腺の中にたんぱく質系のニオイの代表である「アンモニア」が増加するのです。
さらに、肺胞中の二酸化炭素の濃度が高くなると、それは視床下部の発汗中枢を刺激して発汗を促進する傾向もあります。
以上が前のタバコと体臭との関係を補足する理由です。
いずれにせよ、タバコの吸い過ぎは体臭をつくることは間違いありません。
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