投稿者名:五味院長
タイトル:乾布摩擦も効果があります
でんさん
フルネームではありませんので、あなたのカルテを調べることはできませんが、春の診察の時にわたしが「わきがではない」と言ったなら、その診断には間違いはまずありません。このことはぜひ信用してください。
むしろ、あなたはわたしのクリニックに初診で来られてたことで、必要のない手術を避けることができたと言ってもよいでしょう。今美容外科等では正しい「診断」がされないままに手術を薦められれるケースが多いのです。
そのような手術の後では、「試験切開」という検査が意味がなくってしまうために、最初に本当にアポクリン腺があったのかということが永遠にわからなくなってしまいます。大げさでなく「一生」臭いで悩んでしまい、手術の繰り返しに陥る人も多いのです。
あなたの場合には、このような悲劇が避けられたこと、そしてワキガではないのですから少なくとも脇の臭いで悩む必要なないと言う意味で、診察は「意味」があったと思いますよ。
しかし、今現在、あなたは実際に胸元からのモワーッとした匂いに悩まれていることは事実です。
結論から言いますとこれはやはり「エクリン腺」からの汗の匂いが主体でしょう(一部皮脂腺からも加味されて)。
アドバイスとしては、良い汗をかくようにすることですが、そのためには汗腺訓練も効果的です。
その方法はいくつかあるのですが、冬の今は「乾布摩擦」もよいかもしれません。
乾布摩擦で、皮膚を刺激することにより決行が促進され、体が温まります。このことで汗が出やすくなりますがこれが「良い汗」なのです。1週間ほど乾布摩擦をしてから、その時の汗をぜひかいでみてくださいサラッとした匂いの少ない汗です。これは、汗腺そのものが鍛えられることもありますが、汗腺の支持組織である皮膚が鍛えられるからです。
冬は空気が乾燥しているため皮膚が弱くなる傾向があり、このため汗腺がうまく機能しないことが多いのです。
しかし、乾布摩擦は皮膚が赤くなるほど強くしないでください。また汗で湿ってきたら取り替えてください。タオルは化学繊維ではなく綿がよいでしょう。湿ったタオルであまり強くこすりすぎると肝心の皮脂膜を壊してしまうからです。また原綿自体に消臭効果があります(原綿を利用した消臭繊維があります。東洋紡ディスメルなど、タオルでは?)ので、これらの繊維を使ったタオルで乾布摩擦をすれはより効果があるでしょう。
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