投稿者名:五味院長
タイトル:食べ物のニオイと体臭について
ロドリゲスさん
わたしたちの体から体臭として発散されるニオイ成分はすべて食べ物として摂取したものが原料となっているのですから、食事と体臭は非常に密接な関係があります。(過去ログを参考いしてください)
しかし、食べ物自体が持っている「ニオイ」が、それを摂取することでそのまま同じニオイの体臭として出るわけではありません。
体に摂取した食べ物やニオイ物質は体内で分解されてエネルギーに使われたり、体の構成物に合成されたり、蓄積されたり、そして体外に排泄されたりするからです。
ですから、例えば「くさや」を食べたからといって翌日「くさや臭」のする汗がでるわけではありません。くさやのニオイ成分は肝臓で代謝されて尿に排泄されていまうからです。
例外的に「ニンニク」や「ニラ」のようなアルキル基をもつ食べ物だけはそのままのニオイ成分が体からでることがあります。
それはニンニクのアリシンは体内でジスルフィッドなどに分解されますが、この代謝産物自体がいまだニオイ物質だからです。
しかし、食べ物のもつニオイが体から全く出ないわけでもないのです。
その主体は「息」です。これは誰しも経験がありますが、納豆を食べた時は納豆の、魚を食べた時は魚のニオイの息がでます。
特に胃腸での消化に時間がかかる場合にはこのように「逆流性の口臭」が生じます。さらに肝臓での代謝能が低下してくると当然食べ物のニオイのままの呼気が強くなりますし、時には体臭として感じられることもあるでしょう。
さて、ロドリゲスさんのご質問ですが、通常の健康人が魚を例えば1ヶ月間続けて食べたとしても魚臭い体臭がでることはありません。
もしそのようなことがあるとしたらそれは皮膚や口腔粘膜や衣服に外的に魚のニオイが付着したためです。
しかし何十年何百年と同じ食生活を続けたなら話しは別です。
このよう場合にはすでに民族や家族の体質の問題になります。
この段階にまでなるなら、まわりのほとんどの人が例えば「魚臭」がするわけですから、そのニオイに悩む人などいないわけです。
|