投稿者名:五味院長
タイトル:有酸素運動について
たあさん
わかりました。それでは体臭予防に効果的な「有酸素運動」について説明しましょう。
有酸素運動とは、過度の負担をかけずに酸素を十分取りこんで、一定の時間以上行う運動のことをいいます。
有酸素運動の代表は、もちろんウオーキングです。他には、ジョギングやサイクリング、水泳などが「軽い負荷」で「一定時間以上継続できる」有酸素運動といえます。
体臭予防の観点からは、この「軽い負荷」と「一定時間の継続」ということが重要なのです。
人間は、運動のためにエネルギーを必要としますが、あまり激しい運動は浅速呼吸となり、肺にまであまり酸素が届きません。
無酸素の状態では「解糖系」という方法でエネルギーを取る結果、疲労物質の乳酸が増加し、汗腺のなかにアンモニアが分泌されるのです。
ですから、運動の強さは、十分に酸素が肺にまで到達するような深いゆったりとした呼吸ができる軽く汗をかく程度の負荷の運動でなければなりません。
つぎに「一定時間以上」ということですが、体臭予防のもうひとつは血液中の「遊離脂肪酸」を減少させるためです。
遊離脂肪酸は、汗臭さや「オヤジ臭」の原因となる各種の短鎖脂肪酸やアルデヒドの原料なのです。
有酸素運動では、この遊離脂肪酸が燃焼され血中濃度を下げる働きをしますが、実は運動を始めて最初の20分から30分くらいは、脂肪酸でなく血中のブドウ糖の方を燃焼させてエネルギーにしているので、脂肪酸の量はあまり減少しません。
脂肪酸が燃焼されるのは、20分くらい過ぎてからなのです。
ですから、運動は少なくとも30分以上続けて行わなくては効果がないのです。
代表的なウオーキングを行うさいのポイントですが、まずただ漫然と歩くだけでなく、まず酸素が十分肺に供給されるように「胸をはって」歩くことです。
また脂肪の燃焼量をアップさせるためには「歩幅は広く」とって足のうらで地面を強く蹴りだすように重心移動が十分できる歩き方をこころがけることです。
また足だけでなく「腕をふる」歩き方も、全身の筋肉の血腋の流れを促進して身体の皮膚面の体温の適度な上昇を保ちます。
皮膚面の体温上昇は、良い汗をかかせるだけでなく、脂肪燃焼に必要な脂肪分解酵素である「リパーゼ」を活性化させ、より一層効果があがります。
その他のポイントとしては、厚着をして長く有酸素運動をしていますと体温が上がりすぎ「リパーゼ」の活性が逆に低下することがありますので、ウオーキングのときはあまり厚着をせず汗が蒸発しやすい衣服内環境を作ることです。
また汗をかけば当然水分補給が必要です。(水分補給についてはまた別の機会にお話します)
このように、有酸素運動を常日頃からこころがけることは、健康増進のみならず体臭予防ともなり、まさに一石二兆ですね。ぜひ実行してください。
|