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 頭臭に振りまわされるのに疲れました

 

投稿者名:ジョナサン

タイトル:頭臭で悩んでいます


 

私は大学1年生で、2年前くらいから頭臭で悩んでいます。
もともと腋臭も強いほうなのですが腋臭はなんとか抑えれるんです。でも頭臭はどうしようもないんです。以前皮膚科に行っても、「気にしすぎでは?」と言われてしまいました。どうにか自分でなんとかしようと先生のホームページを見ていろいろ努力しました。
頭のカビが原因じゃないかと「コラージュフルフル」を試したり、毎日シャンプーしていたのを止めたり、ビタミンBを多くとってみたり。でもどれもだめでした。市販の物や民間療法かなにかに効果的なものはありませんか?正直もう頭臭に振り回されるのも疲れました。

よろしくおねがいします。

 

投稿者名:五味院長

タイトル:頭髪臭には、ミネラルイオン水が有効



ジョナサンさん。
頭臭で悩んでいるあなたを失望させるつもりはないのですが、体のニオイには「治しやすい部分」と「治しにくい部分」とがあり、頭臭は、治しにくいニオイの筆頭なのです。

ちなみに、最も治しやすい部分は、腋の「わきが臭」です。わきが臭の場合には、アポクリン腺という直視可能な腺組織が原因として明確にあり、そのアポクリン腺は100%摘出可能だからです。

ところが、「頭臭」は、さまざまな原因が「複合されたニオイ」のために、単一な方法では消臭が困難なのです。
薬局へ行くと、腋や足の消臭剤は掃いて捨てるほどありますが、「頭臭」専用の消臭剤は皆無です。
そのことが、いかに頭のニオイ対策が難しいかを如実に物語っています。

頭臭は、大きく二つに分かれます。
「頭髪臭」と「頭皮臭」です。頭臭は、この二つが混合されたものです。

ですから、頭臭対策は、この二つを分けて考えなければなりません。

● 頭髪臭

頭髪そのものは、堅い角質(キューティクル)でできているためニオイの原因となることはまずありません。
ところが、頭髪はニオイ分子の「集臭器」となるのです。
頭髪は、まず、外気に浮遊するニオイを吸収・吸着します。同時に頭皮から発生したニオイも吸収・吸着します。
つまり、頭髪は内からと外からのニオイをダブルで吸い込んで、濃縮してから発散するのです。
女性の頭髪の表面積を平らに伸ばすと、体表面の広さと同じほどにもなります。頭髪がいかにニオイの宝庫となり得るかお分かりでしょう。

ここで、頭髪臭で悩む人へ朗報です。

実は、高濃度の「天然ミネラル水」が頭髪のニオイに有効なことが、最近の私たちの実験で分かったのです。

私達は、鹿児島の特殊環境医学研究所が生成した高濃度「天然ミネラル水」を使用して次のような実験をしました。

まず床屋さんからもらってきた頭髪に高濃度の「天然ミネラル水」を散布します。次に、アンモニア溶液をしみこませた紙片をその頭髪が入った容器に、頭髪と接触するように投入してから、アンモニア濃度を経時的に測定しました。

その結果は、イオン水を散布した容器では、10分後で95%、1時間後で100%のアンモニアが減少したのに対し、比較対照したイオン水を散布しない容器では、10分後が54%、1時間後が77%の減少率にとどまりました。

同様な実験をトリメチルアミンでも行った結果も、無臭とはならないまでも「かなりの消臭レベル」に達しました。

この実験の結果は、高濃度の「天然ミネラルイオン水」に含まれる、ミネラルイオンがアンモニア等のニオイ分子と「イオン交換反応」を起こして、中和消臭したことが推察されます。
またミネラルイオン水が、頭髪の表面に付着することにより、後から投入したアンモニア分子が、頭髪に付着することを予防することも要因でしょう。

いずれにせよ、頭髪臭に対して、「ミネラル水」の消臭効果は立証されましたので、今度はその応用です。

みなさんは、ミネラル水と言えば何を思い浮かべますか?

そうです。コンビニにで売っている「ミネラルウォーター」ですね。
ミネラルウォーターにも、ミネラルが含まれています。そのミネラルを消臭剤に応用するのです。
勿論、実験で使用した天然イオン水のように、高濃度ではありませんので、効果は落ちますが、100円ちょっとで消臭剤ができるのですから、文句は言えないでしょう。

ここで、「ミネラルウォーター消臭剤」の即席の作り方を教えましょう。

・まず、ミネラルウォーターは、「硬水」のものを選らんでください。日本製は、軟水でミネラル分が少ないので、ヨーロッパ産がよいでしょう。
・コンビニで買う時は、そっと観察して、下にミネラルの結晶が沈殿しているものを選んでください。(白っぽくなっているもの)
・それを、1日〜2日くらいそっと動かさないように置いておきます。
・さらに、ペットボトルの上半分くらいを捨てて、残りをスプレー器に入れて、今度はよくかき混ぜて髪の毛に噴霧するのです。

ポイントは、ミネラルウォターに含まれる希少のミネラル分をどれだけ濃縮できるかです。

実は、このとっておきの裏ワザは私が考えたものですが、先日「オレンジページ」という雑誌が、体臭の取材にクリニックに来れた際、この話をしたらぜひ記載したいということでした。

後日、原稿を見ましたら、「ペットボトルの水を上から2センチくらい捨てて、いったん冷蔵庫で凍らせて再び解凍すると白いミネラル分が沈殿します」と書いてあるのです。
担当記者に「私はそんなこと知りませんでした。」と言いますと、「社に帰ってから、どうしたらミネラル分が沈殿しやすいか、何回も実験してみた」のだそうです。売れている雑誌社の記事に対する執念はものすごいものがあるのですね。

オレンジページ5月号(6月号?)に記載されています。「頭髪臭」で悩んでいる人はぜひ読んでみてください。

● 頭皮臭

頭臭のもうひとつの原因である「頭皮臭」の原因は大きく3つあります。

第一は、「皮膚炎」の時です。特に、頭皮の「脂漏性皮膚炎」では、かなり強いニオイを発することがあります。
この場合には当然、皮膚科にて治療が必要です。
ごく最近、米国のネバダ大学皮膚科が、抗真菌薬のシクロピクロス入りのシャンプーが非常に有効であると報告しています。日本でも既に発売されているか皮膚科で問い合わせてみてください。

第二は、「フケ」です。フケは、頭皮の角質が剥がれたものですから、タンパク質が豊富に含まれています。それは雑菌のかっこうのエサとなり、常在菌の表皮ブドウ球菌以外の、有害菌やカビが繁殖して、ニオイをつくります。
フケの予防は、第一にストレスを減らすことです。食生活では、ビタミンB群を十分摂取します。さらに、フケの原因ととなる菌を抑える「ミコナゾールナイトレイト」や「ジンクピリチオン」を含むシャンプーを使用するのもよいでしょう。

以上の二つも頭皮臭の原因となるのですが、第三の最も大きな原因は、「皮脂」のニオイです。

皮脂腺は、体中の毛髪のところにありますが、最も発達しているのが、頭皮なのです。

頭皮の皮脂が臭うのは、油が古くなって酸化されると臭くなるのと同じです。
つまり、頭皮臭は、「皮脂」という油が古くなった臭いなのです。

皮脂が、古くなり酸化される原因は、皮脂の過剰分泌もありますが、主に、皮脂腺から分泌された皮脂が毛穴の出口で毛髪にこびりついた形で付着して、毛穴の外に排出されないからです。
古い皮脂が糞詰まりのように、毛穴の出口を塞いでいるのですから、皮脂腺で生成された新しい皮脂も排出できません。当然、皮脂腺内や毛穴の排出菅に長時間留まるのですから、そのうち酸化されて臭くなります。

それだけでも臭い皮脂となる上に、古い皮脂が大好きな黄色ブドウ球菌やカビが繁殖して炎症を起こします。
頭のニキビのような状態です。そうなると、皮脂だけでなく、前述のフケや皮膚の角質も分解して、より強い臭いとなります。

臭いだけではありません。頭髪にこびりついた皮脂は、放置すると、頭皮の血行を阻害して、頭髪の成長を妨げる原因ともなるます。

ですから、頭皮臭対策は、毛穴にこびりついた古い皮脂腺を取り除くことです。
このように書くと、みなさんは、「それでは頭をよく洗えばよい」と考えるでしょう。

ところが、問題はそれほど単純ではないのです。

毛穴と頭髪にこびりついた皮脂は、強固に固まっているため、通常のシャンプーで洗ったくらいでは、落ちないのです。むしろ、洗いすぎると、古い皮脂ではなく、大切な「皮脂膜」の方を洗い落としてしまい、常在性の表皮ブドウ球菌が住めなくなり、その結果、むしろ、強い臭いをつくる雑菌が繁殖してしまうのです。
洗いすぎは厳に慎まなければなりません。
(余談ですが、作家の五木寛之さんは、あのお歳で、あのようにフサフサしたキレイな髪をしていますが、季節の変わり目の年4回くらいしか洗髪しないのだそうです。それでも、髪がくさいという話は聞こえてきません。)

かように、頭皮臭対策はむずかしいのです。
しかし、対策が無いわけではありません。

まだ、実用化はしていませんが、今私たちは、納豆菌の一種のバチラス・ズブチラス(BS菌)という土壌脱臭菌を、頭皮臭に応用できないかと考えています。

このBS菌は腸内のビフィズス菌のように、人体には全く害をおこさない有益菌に属します。
BS菌は、エサの無い時は、胞子という状態で休眠していて、エサのある状態では、有機物を分解したり、有害菌の繁殖を抑えり、臭い分子を分解したりします。

ところで、このBS菌は「皮脂」が大好きなのです。特に古くなった皮脂が好物です。

BS菌は、健康な皮脂膜は食べずにそのままに残りますから、常在菌を抑制するようなこともありません。
つまり、BS菌という微生物で、頭皮の古い皮脂をクリアにして、新しい皮脂膜を保護しながら、頭皮臭を予防しようというわけです。

実は、このBS菌を配合したスプレー剤は、既に頭髪の成長を阻害する過剰皮脂の「清掃クリナー剤」(リブロッシュやバイオリセット)として発売されています。

現在、BS菌のスプレー剤が頭皮臭に応用可能か、可能なら、どの程度のBS菌で、どの程度の頭皮臭が予防できるか実験中です。
また、前述の「高濃度天然ミネラルイオン水」と配合できるなら、頭髪臭と頭皮臭の双方に効果的な「頭臭用消臭剤」が初めて開発されることなります。

頭臭のニオイ対策法の研究は、まだ端緒についたばかりですが、いずれ、有効な消臭剤も開発されるでしょう。

以上、今回は、頭臭を「頭髪臭」と「頭皮臭」に分けて説明しました。
なお、高濃度天然ミネラルイオン水を使用した製品は、ケーケーディ(03−5414−6661)という会社から、BS菌を配合した製品は、リジュー(03−5807−3690)という会社から販売されています。他に類似の製品がありませんので一応紹介しておきましょう。

 

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