投稿者名:ダックス
タイトル:岩盤浴は子供やお年寄りでも大丈夫ですか?
新しく岩盤浴サロンの開業を予定しています。 岩盤浴についての情報がなく、困っていましたが、五味先生のサイトは非常に参考になりました。 従業員の教育に使用させていただいてもよいでしょうか? 質問ですか、岩盤浴は子供やお年寄りでも大丈夫でしょうか? また、妊婦の方やアルコールを飲まれた方は避けた方がよいでしょうか? 宜しくお願いします。
投稿者名:五味院長
タイトル:岩盤浴は、現代っ子にこそ必要です
ダックスさん。 岩盤浴は、今はまだ一部の地域しか普及していませんので、お子さんやお年寄りが利用されるということはないでしょう。しかし、これから、次第に認知され、広まってくると、あなたの質問は大切になりますね。 私は、現代っ子にこそ、岩盤浴が必要ではないかと思っています。 その理由は、現代は、子供たちが、うまく汗をかけないために、「低代謝・低体温」児が増加しているからです。 低代謝・低体温の子供たちは、上手に体温調節ができないために、外気温のほんの少しの変化でも「熱中症症状」をきたして授業中に倒れたり、「だるい」「疲れる」という自覚症状が多いことが知られています。また今はやりの「キレる子」も低体温の子に多いと言われています。 なぜ、低体温になるのか? それは、現代っ子が汗をかく機会が少ないからです。 人間の汗腺ができあがるのは3歳くらいまでです。 ところが、今は、産院の保育器からはじまり、家の中でも冷暖房完備の部屋で育てられ、外遊びもなく、年がら年中一定の温度で、汗をかくひまもなく、汗腺が「過保護」に育てられています。 これでは、汗腺が未発達のままで育ち、うまく汗のかけない「変温人間」ができあがるのです。 汗腺が汗をかけないとどうなるか? それは、冷却装置の壊れた自動車と同じです。冷却装置が働かなければ、エンジンはオーバーヒートします。しかたなく、エンジンを切るしかないでしょう しかし、人間は、エンジン(心臓)を切るわけにはいきませんから、なるべく熱を出さないように、身体の活動(基礎代謝)を抑えて対応します。低代謝で熱が体の中に篭らないように自衛するのです。熱がでなけれが、体温が低いの当たり前です。 つまり、汗腺がうまく汗をかけないと、低体温になるということです。 からだのエンジンがうまく回転していないのですは、「だるくて、疲れやすい」の当然です。脳の代謝が悪ければ、簡単に「キレ」るのも不思議ではありません。(この辺の事情は私の「読むだけで汗が少なくなる本」(講談社刊)に詳しく説明してありますので参考してください) だから、現代っ子は、汗腺を鍛えなくてならないのです。 それは、暑いときに汗をかかせることです。 ところが、エアコン漬けの現代では、暑い夏ほど「冷房夏」なのです。 それでは、どうしたらよいか? そこで、期待されるのが、「岩盤浴」なのです。 岩盤浴は、既に説明したように、良い汗をかき、汗腺トレーニングに最適です。 みなさんは、岩盤浴に入ったあと、「頭はスッキリ」する経験があるでしょう。岩盤浴は、汗腺をうまく働かせるだけでなく、脳温を一定にすることで、脳細胞がうまく働ける環境もつくっているのです。 だから、子供たちが塾に行く前に、岩盤浴で30分でも、リラクゼーションをしてから、勉強するなら、非常に効率よく頭に入るのです。シャワーも必要ありませんから、時間も無駄にはなりません。 汗の専門家の立場から、子供たち(特に体温の低い)に岩盤浴を薦めてほしいと思います。 (以上は、小学校の高学年以上の子供たちの話です。それより小さな子供への影響ですが、幼児は、15分も30分も岩盤浴の上にじっと横になっていることはできないでしょうから、対象外としましょう。) 次に、お年寄りへの影響です。 これは、入浴と比較すれば、一目瞭然です。 私は、高齢者のデイサービスをボランティアで運営していますが、そのスタッフに一番注意するのが、入浴介助です。 高齢者は入浴時に最も事故が多いのです。高齢者の入浴は、骨折から始まり、のぼせ、失神、心筋梗塞、脳梗塞、等まであらゆる心配が伴います。その理由は、入浴が、「熱いお湯」に入るからです。 熱いお湯は、交感神経を急激に刺激して、血圧を上昇します。お湯につかると、水の「静水圧」が心臓に負担をかけます。すべって転びます。とにかく危険が一杯なのです。 ところが、岩盤浴は、温度50度〜60度くらい、湿度60%〜70%以下というところがほとんどですから、「暖かく」はあっても「熱く」はありません。急激に血圧があがることはまずないのです。 さらに「水」に入るわけではなく、しかもゆったりと横になるのですから、心臓への負担もほとんどありません。 これ以上の説明は不要でしょう。私は、日本全国の高齢者施設で、お年寄りが三々五々「岩盤浴ルーム」に集まり、雑談をしながら、健康談義をする光景が近い将来現実となると思っています。 (メーカーのみなさん、高齢者施設で簡単に併設できるような岩盤浴パネルをぜひ開発してください) そして、妊婦への影響ですが、岩盤浴の遠赤外線とマイナスイオンは全く問題になりません。ただ、鉱石により、微量放射線がでている場合には、現在、胎児に対する影響はまだ調査されていないのが現状です。 「大丈夫だと思います」という現段階では、「子供さんを生んでから利用してください」と説明するのがよいでしょう。 最後に、アルコール摂取と岩盤浴ですが、これもアルコールを摂取したあとに入浴することの危険性はよく理解されていますね。アルコールは、血管を拡張したり、収縮したりするので、急激な血圧の変動をまねいたり、脳血流を減少したりするため、アルコール摂取直後に入浴しないほうがよいのは常識ですね。 このアルコールに関しては、岩盤浴も入浴も同じです。アルコールで尿量が増加して、体液量が少なくなってい上に、汗で、体内の水分が減少するわけですから、アルコール飲料後の岩盤浴は危険です。避けた方がよいでしょう。 お酒は岩盤浴後に飲んでくださいと、説明した方がよいでしょう。それに、お酒は岩盤浴後に飲むと、体の代謝が高まっているため、少量でも気持ちよく酔えます。さらに、通常お風呂やサウナの後は、ビールは美味しいのですが、日本酒やワインはいまいち(主観です)でしょう? ところが、これも私の主観ですが、岩盤浴の後は、どんなお酒も美味しく飲めるのです。 楽しいことは後にとっておいてもらうのがよいでしょう。 以上ご質問にお答えしました。岩盤浴はまだまだ十分認知されていません。運営も大変かと思いますが、頑張ってください。 最後に、従業員の教育のために、私のHPの内容を使用したいということですが、スタッフの医学的知識を高めるためであれば一向に構いません。 ただし、岩盤浴を正しく教えてあげてください。 つまり、岩盤浴は、「治療法」ではないということです。 あくまで、「汗かき健康法」という「生活法」のひとつなのです。 これからあなたの岩盤浴サロンを、いろいろな人が利用さるでしょう。その過程では、ガンが治る人もいるでしょう。リュウマチの痛みが消える人もいるでしょう。痩せることのでる人も勿論いるでしょう。 でも、それをもって、岩盤浴で「ガンが治る」「リュウマチが治る」「痩せられる」というふうには考えないでください。 「ガンが治った」のも「リュウマチが治った」のも、「痩せた」のも、岩盤浴でそのような「治癒的効果」が「可能となる体質になった」だけなのです。 岩盤浴は「治療」が「目的」ではありません。治ったのは岩盤浴「生活法」のあくまで「結果」なのです。 以前に「岩盤浴ダイエット」というタイトルで説明しましたが、私は「岩盤浴で痩せられる」とは言っていません。 岩盤浴を生活の一部とすることで、高代謝体質になり、痩せることの「出来る」体質つまり「痩身可能体質」になりましょう。と言っているのです。 体脂肪の減少は、岩盤浴の「目的」ではなく、岩盤浴によって、エネルギーの流れが、脂肪が蓄積する方向ではなく、燃焼する方向に転換された「結果」であり、蓄積脂肪の消費つまり体重の減少つまり痩身が可能となっただけなのです。 むしろ、岩盤浴は、さまざまはダイエット法で痩身が可能になるための「前提条件=高代謝体質」を整える生活法なのです。 あなた方、これから岩盤浴サロンを運営する人は、スタッフのみなさんが「過剰な効能」を宣伝することでお客さんをひきつけるのでなく、岩盤浴が利用者の「生活の一部」となるような真心のこもった対応や「正しい説明」ができるようにう教育してほしいと思います。
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