投稿者名:すみか
タイトル:わきが以外の体臭も年齢と関係ありますか
わきがと年齢は関係があるんですね。 始まる時も終わるときも。 それで思ったのですが、わきが以外の体臭も年齢と関係があるので しょうか。加齢臭はその名の通り関係がありそうですが・・・。 よろしくお願いします。
投稿者名:五味院長
タイトル:高齢者介護のニオイ問題も大切。
すみかさん。 これも大変よい質問です。 ご指摘のとおり、わきが以外の体臭も年齢、特に老化とは非常に密接な関係があります。 まず、人間とは身体の老化とともにより多くのニオイをだすものだと認識すべきです。 例えば、高齢になり唾液の分泌が低下するにつれ口臭は強くなり、肺の換気能や心臓の酸素供給能が低下するにつれ、汗のアンモニア濃度は増加し、身体に活性酸素や過酸化脂質が増加するにつれ、皮脂腺からの「加齢臭」は増加し、 膀胱や腸の排泄能が低下するにつれ、尿や便の失禁のニオイは増加する、といった具合です。 つまり、人間は高齢化するにつれニオイを撒き散らす存在と言ってもよいでしょう。 それが今問題になっているところであり、わたしが今最も関心をもっている研究分野なのです。 つまり、その問題とは「介護現場のニオイケア」ということです。 医学が進歩して平均寿命が延びるということは、一方で自立機能が衰えたお年寄りや寝たきりの高齢者が増加することを意味します。 必然的に「介護」をする人びとの負担を軽減する手立てが必要となります。 介護保険はそのための一つの手段でしょう。 しかし、介護者の負担は決して肉体的なものだけではありません。 心理的、精神的なものもありなす。 なかでも、これまで無視されたり、仕方がないとされてきたのが、「介護臭」の問題です。 「お年寄りのケアは、好きなんだけれど臭いがどうも・・・」 「おじいちゃんを出来るだけ家で見とってあげたいけれど、失禁の臭いが家に染み付くのが・・・」 というニオイの悩みをもっている人がたくさんいます。 そこで、今このようなニオイ問題を、「臭いものにふた」ではなく、正面から取り組み、高齢者の具体的な「ニオイ介護」の方法や「ニオイケア」の技術を確立する必要があるのです。 今わたしは、そのような問題に非常に関心があり、この3月に「高齢者介護のニオイケア」に関するガイド本を講談社から出版する予定です。 出版されましたら、またこのHP紹介するつもりですので、身近に高齢者がいられる方はぜひ参考にしてください。 なにかわたしの本のPRになってしまいすみませんでした。
タイトル:Re: 高齢者介護のニオイ問題も大切。
お忙しい中、丁寧にお答えいただきありがとうございます。 年を取るにつれて今の体臭+αがどんどん増えていくのかと思うと ユウツですが、高齢になってもある程度元気に暮らせるよう今から健康に 気を付けることにします。あと40〜50年すれば画期的な発見や商品が 出てくるかも知れませんしね。 質問ついでに、もう一つ質問させて下さい。 私、自分の体臭がたんぱく質系では?と疑っているせいか、 たんぱく質系のにおいに関することに非常に関心があります。これも 年齢との関係があるのかをお伺いしたいのですが、以下の文章は過去ログの 一番最後の記事からコピーさせていただいたものでして、これが原因の場合 はどうなのでしょうか。 第二は、摂取されたたんぱく質は大腸内で細菌による腐敗でアミノ基がはずされ、アンモニアや硫化水素、メチルメルカプタン、アミン類、インドール、スカトールなどのニオイ物質が生成します。これらのニオイ物質は通常は便やオナラとともに体外に排泄されてしまうのですが、一部は大腸から吸収され呼気や汗腺から分泌され体臭の原因となることがあります。 長文になってしまってすみません。よろしくお願いします。
タイトル:老化に伴う「たんぱく質系」のニオイ。
お答えします。 人間は、老化よりさまざまなニオイを発生するものであることを前回説明しましたが、その中でもあなたが指摘された「腸管から吸収されたニオイ」は、「老化臭」の代表でもあります。 老化を定義することは難しいのですが、体臭増加という観点から見ると腸内環境つまり「腸内細菌叢」の変化を老化過程と見ることもできます。 みなさん既にご存知のように、腸内にはさまざま細菌(100種類100兆個)が棲みついています。 この細菌叢の構成メンバーが年齢と供に次第に変化していくのです。 例えば、生まれたばかりの赤ちゃんは90%近くが善玉菌と言われるビフィズス菌ですが、成長とともに次第に減少して、老年期では半分以下に減少してしまします。 逆に悪玉菌のウエルシュ菌は、40歳くらいから急激に増加して老年期にはビフィズスを追い越してしまうほど増えます。 これらの細菌叢の変化がなぜ体臭の増加の原因となるかというと、ビフィズス菌を代表とする乳酸菌類は、主に食べ物のうち炭水化物を発酵します。たんぱく質を分解する場合でも、ニオイの少ないアミノ酸に分解して速やかに腸から吸収されるからです。 一方、ウエルシュ菌などの悪玉菌は、主にたんぱく質を腐敗発酵させ、前に説明したアンモニア、インドール、スカトール、アミン類などの「たんぱく質系」のニオイ物質を産生するのです。 これが老化にともないニオイが増加する理由です。 それでは、このたんぱく質系の老化臭を抑えるのはどうしたらよいか? それは、主に次の4つの方法があります。 1. 動物性のたんぱく質や脂質の摂取を控えめにする。 2. 乳酸菌類を摂取する。 3. オリゴ糖を摂取する。 4. 食物繊維を摂取する。 以上の個々については、過去ログで説明してありますので参考にしてください。 オリゴ糖については、まだ具体的な説明はしてありませんので項を変えてお話しましょう。
タイトル:オリゴ糖の体臭予防効果。
それでは、オリゴ糖の老化に伴うたんぱく質系のニオイ予防効果について説明しましょう。 「糖」は、炭素、水素、酸素、からなる化合物で、生体内で主にエネルギー源となります。 糖には化合物の数から、単糖類、少糖類、多糖類に分類されますが、「オリゴ糖」はこのなかで単糖が2〜4個つながった形の少糖の別名です。 糖の一種ですから、自然界にも、タマネギ、アスパラガス、ごぼう、蜂蜜、大豆、みそ、しょうゆ、などに含まれています。 それでは、なぜこの「オリゴ糖」だけが、他の糖とは違う注目をされるかといいますと、ずばり「老化を予防」するからです。 その老化予防作用は、オリゴ糖自身にあるわけではないのです。 オリゴ糖は、人間の消化液では消化されませんから、摂取したものはほとんど吸収されずに排泄されます。 しかし、ただむだに排泄されてしまうのではないのです。 オリゴ糖は、みずから乳酸菌などの善玉菌の「エサ」となることで、ビフィズス菌などを増殖させ「育て」ているのです。 それどころか、たんぱく質系のニオイを作るクロストリジウムなどの有害菌は、このオリゴ糖が大嫌いで、悪玉菌を抑制さえするのです。 このように、オリゴ糖は「間接的」とは言え、腸内細菌叢のバランスを若返らせ、免疫機能を高め、結果的には、タンパク質系の老化臭の予防効果を発揮しているのです。 オリゴ糖は、上記の自然食品からも摂取できますが、積極的に体臭予防法として摂る場合には、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖などの製品があります。 一日の有効摂取量(3〜15グラム)のやや多めを料理などに工夫して摂るのもよいでしょう。
投稿者名:馬吉
タイトル:Re: オリゴ糖の体臭予防効果。
先生、先日はご質問にお答え頂き有難う御座いました。他の人のツリーに割り込んでしまう形で恐縮なんですけど、オリゴ糖って臭いを防止する効果もあるんですね。 実は先日からビール酵母とヤーコン茶っていうフラクトオリゴ糖が豊富に含まれている健康茶を飲み始めたんですがこれがいいんです。便通だけじゃなくてやはり異様な臭いがもうほとんどないんです。もちろんそれ以外の乳酸菌等の効果もあるんでしょうが、それだけの時よりも効果が非常に高いです。 他にも坑酸化物質のポリフェノールや亜鉛、タンニンなど体臭に効果がありそうな物質?も含まれている様です。 このヤーコン茶は100グラム2千円と少し値段は高いですが、同じくたんぱく質系の臭いで悩んでいる方は試してみたらいかがでしょうか。 そして五味先生のご意見なども是非とも伺えればと思います。 今だに脂臭い臭いは強いですが、ストレスを上手く発散してまたコントロール出来る様に頑張ります。そして早く社会復帰したいです。
タイトル:亜鉛と嗅覚障害との関係。
馬吉さん。 調子がよいようですね。 「オリゴ糖」の話をしてから、何人かの人から「よさそうだ」という声を聞いています。 もう少し早めにお話しておけばよかったですね。 オリゴ糖にも、いろいろな製品がありますから自分にあったものを選べばよいでしょう。(懐具合と相談して) 今回は、馬吉さんの書き込みにあった「亜鉛と体臭」との関係についてお話します。 「亜鉛」も体臭とのかかわりでは、非常に重要なミネラルです。 亜鉛の不足が「味覚異常」と関係があることはご存知かと思います。 今、若い人の間で「食べ物の味がわからない」「何を食べてもおいしくない」「イヤなにおいがする」などの味覚異常が増加しています。 これは、医学的には、舌にある「味雷細胞」が亜鉛の不足で機能が低下することで生じます。 亜鉛は舌だけでなく、鼻粘膜にもたくさん存在するのですが、近年、この亜鉛不足が、味覚障害だけでなく、嗅覚障害も引き起こすことがわかってきました。 わたしは、最近若い人で「自分の体がイヤなにおいがする」と悩んでいる人の中に、かなりの人が「亜鉛不足」による「嗅覚異常」が原因の人がいるのではないかと考えています。 普通の汗のニオイでも、仮に嗅覚での受け手の方で「不快」と感じた場合にはやはり、「人にも不快感を与えているのではないか」と悩むことはありえるからです。 体臭で悩んでいる人は、一度そのような「可能性」も視野にいれてみる必要もあります。 そのような人では、サプリメントでもありますが、亜鉛は「蛎」にたくさん含まれていますので自然な形で摂取するのがよいでしょう。
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