投稿者名:五味院長
タイトル:下着の黄ばみについて
ご返答が遅れてすみませんでした。
それでは順次お答えします。
> 腋下の再手術については、もう少し時間をおいてみることにしました。
手術の選択は十分時間をかけて決めてください。将来の人生にプラスになるような選択をすることが大切です。
> 今回は、過去ログでも質問のあった、脇の下以外の体幹の臭いについてです。
> 「これは皮脂の臭いなのかな」とも思いますが、脇の下にもあるような臭いです
>(もちろん脇にも皮脂があると思いますが)。
> 少し神経質すぎるかとも思うのですが、太古の人以外には、本当に
> 背中などにはアポクリン腺は存在しないのでしょうか。
胸の乳輪の周囲には稀にアポクリン腺が存在することもありますが、背中にアポクリン腺が残存していることは日本人の場合には絶対にありません。
仮に背中が臭うとしたらあなたの言うように「脂質系の臭い」の可能性はあります。
> そしてもうひとつ、これも過去ログで、デオドラント剤の中には衣服を黄ばませるものもあるというお話がありましたが、具体的にどのような成分が黄ばみの原因になるのでしょうか。
ワキガ体質の人の下着が時に黄ばむのはアポクリン腺の分泌物に含まれるリポフスチンという色素成分や鉄分が原因です。日本人はさほどでもありませんが
欧米人では時には黒ずんだり蛍光を発したりすることもあります。
また下着により強く色が付く人は、手術をしてみると黒色のアポクリン腺(普通は赤茶色です)が散在していることもあり、そのような人はワキガの程度がより強い傾向がありますので、下着の黄ばみの程度はワキガの強さの指標でもあるのです。
しかし下着の黄ばみは普通のエクリン腺による汗の「汗ジミ」でもなることもありますし、あなたが言うように市販の制汗剤でもなることもありますので、下着が着色したからといって即ワキガではないかというよな判断はしないようにしてください。
どのような制汗剤が黄ばむのかということは一概にはいえません。同じ制汗剤を使っても黄ばむ人と黄ばまない人がいるからです。
一般的には、一つの臭いを他の薬剤で別の無臭物質に変化させる「化学的消臭法」を使うアルカリ化剤や酸性化剤を含むデオドラント剤は黄ばむ傾向があるかもしれません。
また制汗剤の使用量や使用頻度、さらにパウダータイプやスティクタイプなどの肌に密着しやすい使用法などにも影響されます。
しかし下着の黄ばみがアポクリン腺によるものか制汗剤によるものかの判断はいたって簡単です。 それは制汗剤の使用を一定期間中止すればよいのです。1ヶ月以上使用しないで黄ばむようであればアポクリン腺が原因といってよいでしょう。
アポクリン腺による黄ばみは当然手術によってなくなります。
しかしエクリン腺は一部残るわけですから、普通の「汗ジミ」は手術後もすることはありますので混同しないようにしてください。
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