投稿者名:五味院長
タイトル:新しい情報ありがとうございます
みみさん
せっかくドライオニックという家庭で使用できるイオントフォレーシスの器械を取り寄せたのにあまり効果がなかったというのは本当にがっかりしてしまいますね。
しかし、これはわたしがある程度は予想していたことでもあるのです。
なぜかと言うと、あなたの多汗は、腋臭体質の上に精神性発汗が上乗せされたもの、つまり「アポクリン腺型多汗」と「エクリンセン型多汗」の混合型であるからです。
実はわたしのクリニックでの過去の経験から、あなたの考えていることとは逆にイオントフォレーシスのメカニズムはアポクリン腺よりもエクリン腺に対する方が効果があるのではないかと思われるからです。
イオントフォレーシスの原理の一つは、汗腺の腺細胞の内外のイオンの流れを阻害することによって発汗を抑えるのもですが、これはエクリン腺に関しては有効ですが、どうもアポクリン腺には効果がないようです。
その理由のひとつは、アポクリン腺の発汗がエクリン腺とは異なり、腺細胞の内容物が直接汗として放出されるような形で発汗するからです。
あなたの場合には、アポクリン腺が体質として基礎にあるわけですからドライオニックではなかなか汗を抑えられなかったのではないでしょうか。
あなたにとっては残念なことでしたが、このような経験は多くの多汗症で悩める人々、また私にとっても貴重な情報です。
逆にもしこのような方法で効果があったというような情報がありましたら是非この掲示板で教えてほしいと思います。
さてもうひとつの「彼」の話ですが、彼の多汗の名前は次のようなものです。
それは 「生理的発汗」です。
つまりかれは自分の体の恒常性を維持するために必要なだけの汗をかいているのです。それが普通の人々より多かっただけの話です。
ですから、彼のかく汗は彼にとっては「多汗」でもなんでのないのす。 ただし、かれがもし自分な寝汗の量を意識して汗を減らしたいと悩みはじめたた時点で、問題は複雑になります。
なぜなら、彼にとって汗を減らすことはかれの健康を損なうことを意味するからです。 勿論体質などを変えることで汗を健康的に減らすことはできますが、そのような努力は、かれに食生活をも含め多大な負担を要求することでしょう。
このような点を考慮すると、あなたが彼に愛情をもっているならば、あなたのベストな対応は彼にことさら汗の話題をとりあげて無用な不安を与えないことではないでしょうか。
|