投稿者名:五味院長
タイトル:ニオイの表現について
アリーさん
あなたが「わきがの臭いがよくわからない」という疑問をもつのは当然のことだと思います。 かりにあなたがワキガ体質でなければどのような臭いであるか想像することは非常に難しいからです。
そもそも「ニオイ」を言葉で表現すること自体がなかなか難しいことなのです。
例えば、色彩についてなら「赤」とか「黄色」とかハッキリと言葉で表現できますし、赤バラと言われた時、黄色いバラを想像する人はいません。
音楽でもドレミという音程ががあり「ド」という音を聞いて「ソ」を連想するなら音感が悪いといわざるえません。
「ニオイ」についてはどうでしょうか。
「すえたニオイ」といわれた時、赤や黄色やドやソのようにハッキリと嗅覚的にイメージできるでしょうか?ある人は古本のニオイを連想するかもしれないし、別な人は腐った野菜のニオイを思い浮かべるかもしれません。
ニオイの表現は、「赤」とか「黄色」というような明確な言葉はありません
全て「・・・・のような」という間接表現しか出来ないのです。 したがってその人のニオイ表現というのは、過去に嗅いだことのあるニオイ体験に基づくのです。
ですから「ピザのような香ばしい匂い」といってもピザを食べたことのない人には想像できません。 つまり色や音や味と違い「嗅覚」というものは非常に個人的なものなのです。
ニオイの感じ方は、その人の今までの生活習慣や生活環境や食生活などに影響されるものです。
ニオイの快不快も同様です。ある人が快と思うニオイが他の人も同じように心地よく感じるとは限りません。香水がよい例です。自分だけよい匂いだと思いこんでいる人も多いのです。
ワキガ臭でも言えます。日本人は一般的にワキガのニオイを不快なものと捉えていますが、例えば幼いころ亡くなったお母さんがワキガ体質であった子供は大きくなってワキガのニオイをむしろ懐かしく感じるといわれます。
ですからあなたがわきが体質でもなく、今までに周囲の人のワキガ臭に気づいたこともなければ「甘すっぱいニオイ」とか「すえた刺激臭」などといわれても多分分からないと思います。
しかしワキガのニオイは明らかに普通の汗のニオイとは違います。 分かっている人なら言葉で表現できなくとも「うん、あのニオイ」と容易にイメージ出来るでしょう。
たぶんあなたはワキガではないとおもいますが、わきがの程度が強くなると臭いに嗅覚が順応して自分では感じなくなることもあります。
診断は「耳垢が軟らかい」などの自己診断法もあります。
100%の診断は「試験切開」という検査が必要です。
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