直視下剥離法の問題点
直視下剥離法の問題点としては、機械で行なう手術に比べて、手術時間がやや長いことがあります。麻酔や術後の処置を含めて、最低約一時間かかります。とはいえ、これは、術中の止血や毛根を拾い上げるのに時間を要するためであり、術後の経過を良好なものにするためには、絶対不可欠の作業なのです。
術後の経過が良好であれば、30分程度手術時間が長いことは、患者さんにとってさほど苦痛にはならないでしょう。
次に、切開口が他の手術よりやや大きいことがあります。ただしこれは、人間の目で見ながら行なう手術であるからには、必要最低限の切開は、完全な手術のために仕方がありません。
もっとも、直視下剥離法ではワキの下の有毛部のタテジワに沿って切開するので、特殊なケロイド体質でなければ、術後6カ月もすればほとんどのケースで、シワのひとつにしかみえなくなり、医者がみても区別できないほどになります。
ただし、どのような手術でも例外というものがあります。傷に関して特別神経質な患者さんは術前に相談したほうがよいでしょう。
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