直視下剥離法の全体的長所
直視下剥離法全体に通ずる長所もあります。それを列挙すると、以下のようになります。
(1)医師が肉眼で一粒ずつ確認しながら手術を行なうため、アポクリン腺などの取り残しがないと同時に、腺根まで確実に取るため、術後の再生・再発がありません。
(2)機械的方法では周囲の脂肪組織などと一緒に摘出するため術後どれがアポクリン腺なのか確認できませんが、直視下剥離法ではきれいにそのまま摘出できるため、アポクリン腺の量から、術後、患者さんにワキガ体質の程度を正確に教えることができます。
(3)アポクリン腺の多少や硬さ、腺の厚さ、脂肪層との混合状態などには著しい個人差がありますが、目でその状態を確かめながら手術を行なうため、どのようなタイプの患者さんにも対応できます。
(4)手術中、切開部位に落ちた毛根を、目で探して残らず拾い取ることができます(残しておくと、異物反応や炎症がおき、毛嚢炎(もうのうえん)やアテロームという病気になることがあります)。
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