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腋臭手術直後の痛みと傷について


投稿者名:アミン

タイトル:ワキが手術直後の痛みと傷について



HP拝見しました。
一つ、質問ですが、手術中の痛みについては、HPでわかりましたが、手術後どのくらい痛むのか教えてください。
また、傷についても理解したつもりですが、手術直後の傷についても、説明をお願いします。


 

投稿者名:五味院長

タイトル:手術直後の痛みと傷についてお答えします



アミンさん。

手術による傷や痛みについては、過去にかなり詳しく説明してありますが、「手術直後」と限定した説明はありませんでしたのでここで追加しておきましょう。

まず、「痛み」についてですが、手術中は麻酔が効いていますので当然痛みはありませんが、術直後に痛む原因は、化膿以外では一つしかありません。それは切開口の傷の痛みではなく、タイオーバーというガーゼ固定がつっぱる痛さです。
体臭多汗の手術はちょうど植皮術と同様の状態になりますので、皮膚が動かないように、皮下組織と強く密着される必要があり、そのためにガーゼをかなりの強さで糸で結びます。 この糸の結び目が痛いのです。
その痛みの強さは、手術の範囲、皮膚の厚み、皮膚の伸縮度、体型、等によって異なります。 1日目はかなり痛いことがありますが、通常は徐々に軽減していき、4日のタイオーバーを除去すると、痛みはなくなります。

当院で、口頭による痛みの程度を調べたところ、「初日は痛かったが、我慢できた」と言う人が約50%、「痛み止めを飲んだら我慢できた」という人が約30%、「痛み止めを飲んでも動いた時など痛みはあったが、4日間なので我慢した」と言う人が約10%〜15%でした。
ところが、20人〜30人に一人くらい「非常に痛がる」人がいます。
このような人の場合、手術の翌日にタイオーバーを固定している糸を一部抜糸することで痛みは軽減します。
しかし、条件がかさなり固定が強くなった人や痛みに敏感な人、また幻痛(現実の痛み以上に心理的な痛みを感じてしまう)の人などは、かなり大変な思いをされます。

なかには「こんなに痛いんでは仕事ができない、どうしてくれるんだ」「HPにはこんなに痛いとはどこにも書いてなかったではないか」などお叱りを受けたこともありました。
痛みは手術の宿命とはいえ、できるだけ痛みの少ないよいにタイオーバーも改良されていますが、現実にこのような人がいることは事実です。

それでは、どう解決したらよいでしょうか?

一つだけ、絶対に痛みのない方法があります。
それは、「手術を受けないこと」です。
自分が痛みに弱いと思う人は、できれば、手術ではなく、電気凝固法という治療法を選択するのがよいと思います。
手術法にするか、凝固法にするかの選択については過去ログに書いてありますが、最も簡単な方法は、「天秤にかける」ことです。右には痛みの強さ、左にはあなたの悩みの強さを置いてください。右に大きく傾くようなら、あなたの悩みはさほど大きくない証明です。この場合は凝固法が正しい選択です。もし左に大きく傾いたなら、勇気をもって手術法を選びましょう。例え痛みがあったとしても、悩みが解消されることの喜びがあなたの脳内にモルヒネ様ホルモンの分泌を促進させ、痛みを軽減してくれるでしょう。

傷についても同じです。天秤を用意してください。右に傷、左に悩みです。
そして次の文章を読んでください。

手術直後の傷の状態は、「ひじょーに、かなーり、きわめーて、目立ちます」。
これを見て天秤が右に大きく傾くようなら、もう手術の適応ではありません。やはり電気凝固法がよいでしょう。

体臭多汗の手術は、原因となるアポクリン腺の導管部まで含めて剥離をしないと将来必ず再発します。そのため真皮の一部まで剥離をすることになりますので、皮膚の毛細血管が「一時的」になくなり、皮膚移植と同様の状態となります。だから目立つのです。皮膚はまず赤黒くなります。そして、初期の頃は、タイオーバーの固定の糸の跡が点々とかさぶた状につきます。
このようなことを何も知らないで手術を受けた人では、自分で消毒する時、驚かれるでしょう。
このような状態は、約2週間〜3週間続きます。
そして1ヶ月くらいすると傷も落ち着きます。
そして、6ヶ月から1年くらいかけて色素沈着が徐々にとれていくのですが、この経過については過去ログに詳しく説明してありますので参考にしてください。

いずれにせよ、手術の不安を解消してくれるのは、悩みから開放されることの喜びなのです。悩みが強ければ強いほど、喜びも大きくなります。

当院で手術を担当する私としては、できれば痛みや傷の不安を克服できるだけの強い「悩み」を抱いた人だけに手術は受けてもらいたいとと願っているのです。


 

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