投稿者名:五味院長
タイトル:ケロイドについて
かこさん
いくつかご質問がありますので順次お答えします。
>手術でつくかもしれない色素沈着は、どの程度のものなのでしょうか。
手術後の色素沈着は腋臭を「完全に」治す手術では、皮膚が一時的に植皮の状態になりますので、必ず通過しなければならない試練です。
これを我慢できない人は体臭多汗の手術はうけることはできません。
しかし、色素沈着の程度は、メラニン色素の量が人によって全く異なりますので、その程度も違います(色素沈着をしない人もいます)。
一般的には夏かなり日焼けしてから1週間くらいたった時の状態を想像するとよいと思います。(しかしわたしは傷や色素沈着については大げさに説明する傾向がありますのですこし割り引いてもよいでしょう)
> 他の記事を見ると、しばらくしたらめだたなくなる、と書いてありましたが・・・。
この色素沈着は半年から1年くらい経ちますと自然に「ほぼ」消えてきます。
しかし何事にも例外があり、3ヶ月ほどで消える人もいれば、切開口や糸の後にうっすらと黒味が残る人もいます。
> (なにか画像などがあるのでしたらこのHPに載せていただけるとうれしいです。ケロイドの症状なんかもあったら載せて欲しいです。)
実はこのHPを作る時、術後の経過の写真を掲載しようとしたことがあるのですが、写真をとった患者さんの気持ちを考えて止めました。
HPは、医学会の研究発表の場とは別です。不特定数の人が自由にアクセスして閲覧する場です。
例えは悪いのですが、駅の広場に写真を張り出すようなものでしょう。顔は出ずとも、腋の下という気恥ずかしいところですのでやはり人権的に問題があると思い中止しました。
しかし写真をみれば術後の色素沈着の程度がよくわかることは事実です。
もしあなたが個人的に写真をみることを希望するのなら、わたしのクリニックに診察にいらしてもらえば見ることは可能です。
あなたという個人と写真を取られた方の間に、わたしという個人が入りますので、わたしの責任において問題ないと思います。
> ケロイドのことなのですが、 小さいころ(幼稚園児くらい)、
> 思い切り転んで足の膝にできた小さい傷があります。
> 最近はよく目をこらさないと全く分からなくなりましたが、
> 昔は漢字の一、のような形の傷なのですが、
> それがすこしぷくっとしていました。
> これはケロイドなのでしょうか?
ケロイドにも程度があります。
あなたの場合には多分本当のケロイドではなく 通常の傷が盛り上がった過形成と言う状態ではないかとおもいます。
> 今はすっかり目立たなくなったのですが。
> ケロイドってきれいに治ってくるのもなのでしょうか?
> ケロイドについて詳しく教えていただけたら嬉しいです。
ケロイドは今は「ケナコルト」というステロイドの注射である程度予防できます。また明らかにケロイド体質であるとわかっている場合には、術後から予防の飲み薬もあります。
またケロイドは、若い人ほど代謝がさかんなためできやすく、歳をとれば目立たなくなる傾向があります。
実はわたし自身がケロイド体質で、手にケロイドがあります。これも診察に来られれば「実際のケロイド」を写真でなくともわたしの手で見ることができます。(最近歳をとってケロイドが治ってきてしまいましたが)
> 精神性発汗については自分でもそうなのかな、と思うことがあります。
> 高校3年の冬頃から汗について気になり始めたのですが、
> そのころは大学受験のこともあり、緊張状態が続いていたのでは?と思いました。
> 今も浪人しています。
> 大学受験のことで自分でも知らないウチに緊張しているかもしれません。
> こういうことも精神性発汗に関係するのでしょうか?
十分関係があります。
> 晴れて大学生になったら汗の量は減るでしょうか?
その可能性も十分あります。
> 先生の言う自律訓練法の本も見たいと思います。
> 何かわかりやすいいい本があるのなら、ぜひ教えて下さい。
大きな本屋さんに行くと「自律訓練法」の本のコーナーがあります。
自分でみてやさしく解説しているものでよいと思います。
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