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 岩盤浴で顔の多汗が減りました

 

投稿者名:hat

タイトル:岩盤浴で顔の多汗が減りました


 

38歳主婦です。出産後から、顔と頭にものすごい汗をかくようになり、頭からは滝のように流れていまい外出するのもおっくうです。五味先生のHPを見て、岩盤浴を体験しているのですが、顔の汗が減少しています。
これも岩盤浴の効果でしょうか?

 

投稿者名:五味院長

タイトル:部分汗と全身汗について



hatさん。

顔からの汗の減少も岩盤浴の効用のひとつと思います。

通常、岩盤浴ではたくさんの汗をかきますね。ですから、岩盤浴で、多汗症が改善したこととは、一見正反対の現象のように感じるでしょう。

しかし、岩盤浴で「大量の汗をかく」ということと「多汗が減少する」ということは発汗生理学的には全く矛盾していないのです。

より正確に言うと、岩盤浴では「全身の汗腺」を有効に活用してたくさんの汗をかるので、その結果「部分汗」が減少したということです。

人間の汗腺は、全身に400万〜500万個もあります。
しかし、私達は、せっかくあるそれらの汗腺の全てを使用してはいないのです。
実際に、汗をかいて働いている汗腺(能動汗腺)は、そのうち半分くらいです。
残りの半分は、いわば休眠しているのですね。

体の各部分でも同じです。
私たちは全身の汗腺を平等に使用して汗をかいているわけではないのです。

どちらかというと、手足や下半身よりも、上半身の汗腺を酷使する傾向があります。
それは、人間は脳温を調節したいため、脳に近い顔や頭の汗腺はよく発達していて汗をかきやすく、脳から遠い部分の腕や足の汗腺は機能が低下しやすいからです。
だから、エアコン漬けで、夏でも汗をかかない人の腕や足の汗腺の機能はすぐダメになり、能動汗腺も少なくなるのです。

そうなると、どうなるか?

人間は恒温動物ですから、どうしても体温を一定に保たねばなりません。
そのために、まだ機能が衰えていない上半身の顔や頭の汗腺によけい働いてもらうしかないのです。
これを「代償性発汗」と言います。

(手のひらの多汗症の「神経ブロック」の手術で上半身の汗が減少する代わりに、下半身の汗が極端に増えたり、
糖尿病の時、下半身の神経が侵され汗がうまくかけないため、上半身の汗が増えるのも同じ現象です)

つまり、顔や頭といった局所にかく「部分汗」は、その他の部分が「全身汗」をかけないための「代償性」の発汗なのです。

その点、岩盤浴では、体の全身を岩盤に横たえて温熱刺激を与えるため、全身の汗腺の機能が平等に高まり、全身から満遍なく汗をかくことができるのです。

同じ仕事を、2人でやるより3人でする方が、一人一人の負担は少ないでしょう。
汗腺だって同じです。
全身の能動汗腺が協力してみんなで働けば、少ない数で大量に汗をかいて働いていた汗腺の負担はより少なくなるでしょう。

だから、全身の汗腺が満遍なく働いて「全身汗」をかけば、顔などの「部分汗」は減少するのです。
そのような意味で、顔の汗の減少は岩盤浴の効用であると言っても間違いではないのです。

つまり、あなたの場合には、かく汗そのものの絶対量は変化していませんが、岩盤浴で全身に「効率汗」をかくようになり、無理をして働いていた一部の汗腺がむくわれた結果、「極端汗」が減少したのです。

「部分汗=極端汗」は悪い汗であり、「全身汗=効率汗」は良い汗とするならば、あなたは岩盤浴で、良い汗がかけるようになったとも言えるのです。


しかし、あなたのケースでは、このような「代償性発汗の解消」以外にも、その他の理由が考えられます。

第一は、ホルモン系の安定です。

実は、汗に関しては、男性ホルモンは発汗促進的に働き、女性ホルモンは発汗抑制的に働きます。
女性では出産すると、一時的に女性ホルモンが減少するため、顔や頭の汗が増えることがあります(これを産褥期多汗症と呼びます)
あなたのケースもこれにあたるでしょう。

岩盤浴の遠赤外線の温熱効果は、体温を高めに保ちます。
ホルモン系や免疫系は、体温が低めよりも高めの状態で活性化する傾向があります。
多分、あなたは今まで低体温気味だったのが正常体温に近づいたのではないでしょうか。

岩盤浴で女性ホルモンの分泌が安定してきたことも汗の上半身の汗の減少の原因かもしれません。

第二は、岩盤浴の「リラクゼーション効果」です。

顔の汗、特に額からの汗は、「精神性発汗」も関与しているはずです。
この精神性発汗は岩盤浴のリラクゼーション効果でかなり軽減されたと思います。

それは、岩盤浴を経験した人が十中八九発する二つの言葉からも分かります。

一つは「サラサラ汗をかけた」ということ、もう一つは、その汗が「気持ちがいい」といことです。
気持ちが良いということは、リラックスしたということです。
人間の体をリラックスさせるのは「副交感神経」です。

一方、発汗神経は、交感神経のみです。
岩盤浴では、勿論汗をかきますから、交感神経も働いています。
しかし、副交感神経も同時に働いているのです。
岩盤浴では、交感神経と副交感神経のどちらか一方のみに偏ることはなく、この両者がバランスよく、仲良く働いているのです。

体を活動的にするのは、主に交感神経であり、休ませるのは副交感神経です。
ですから、「はつらつ」という言葉を交感神経に、「リラックス」とう言葉を副交感神経に使用することは間違いではありません。

しかし、わたしは「リラクゼーション」という言葉は「リラックス」とは同じではないと考えています。

本当の「リラクゼーション」とは、心はリラックスはしていても、体の芯ははつらつと活動している状態を言うのです。

ですから、「リラクゼーション」=「リラックス」+「はつらつ」ということです。
心は休まっているが体は活発に代謝している。
心は気持ちよく落ち着いているが、汗腺は活発によく働いている。
しかも、体全体の汗腺が協調して汗をかく。

これが本当の「リラクゼーション」の意味です。

よく「額に汗して働く」という言葉がありますが、汗をかくことは辛いことではないのです。気持ちいいこと。落ち着くことでもあるのです。
エアコンの普及で汗をかけなくなった現代において、
岩盤浴の本当の効用は、今まであまり重要視されていなかった「汗腺」という小さな付属器官の大切さを、私達に再認識させてくれたことかもしれません。

 

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