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 11歳の娘のワキガの治療法について教えてください

 

投稿者名:さざんか

タイトル:11歳の娘のワキガの治療法について教えてください


 

娘(11歳)のワキガについて悩んでいます。

旦那がワキガでして、遺伝してしまったらしく、娘も年頃になってきたので、早いうちに治療できたらと思いメールをさせていただきました。

この先、体臭のことで悩んだり、傷ついたりしないためにも、まずは診てもらおう!と話しています。

治療はどういう方法があって、期間はどれ位掛かるのでしょうか?

 

投稿者名:五味院長

タイトル:小さい子供のワキガ臭対策について



さざんかさん。
近頃、あなたのように小さな子供さんの体臭を心配する親御さんからのメールが多いのです。
ここで、小学生くらいのお子さんのニオイ対策の基本的な考え方について説明しておきましょう。

子供さんの体臭を気にする親御さんが増えた理由は、二つあると思います。

第一は、最近の子供たちの肉体的な成長により、ワキガ臭の発臭も低年齢化していることです。
以前は、ワキガ臭は、ホルモンの分泌が盛んになる思春期頃から強くなると言われていました。
ところが、現在では、小学校低学年の児童でも、ワキガ臭がすることがあります。

実際に手術をして感じることですが、現在の若い人のアポクリン腺は、私が20年以上前にこの手術を始めたころに比べて確実に3割方大きくなっています(数は遺伝形質で決定するので変わりません)。
食生活が欧米化したこととも関係するでしょう。

最近は、親が子供の体や衣類からワキガ臭がすることに気づいて、ショックを受けるケースが多いのです。

第二の理由は、子供さんが体臭をきっかけにした「いじめ」にあうことを心配するからです。
体臭を契機としたイジメは、今学校の教育現場で深刻な問題なのです。
それは、「クサイ!」と人から言われることが、その人に自己否定感を与えるからです。

イジメの言葉にもいろいろありますが、「短足!」だの「天然!」だの言われてもその人の全人格が否定されるわけではありません。
しかし、「クサイ!」と言われることは、その場から「去れ!」と言われることと同義です。自己の存在を否定されたも同然なのです。

「ワキガ!」の言葉も同じイメージが伴います。
自己否定の気持ちを抱いていると、自分の方から友達関係を避けることが多くなります。
思春期前の多感な年頃に、「クサイ!」「キタナイ!」「ワキガ!」といった言葉でのイジメにあうと、子供たちは、友達の輪に入ることを避けて、登校拒否をしたり、自分の部屋に閉じこもって「引きこもり」になってしまうのです。

私は現代の登校拒否ケースの原因のかなりのパーセンテージをこの「ニオイのいじめ」が占めているとみています。
ところが、現在の学校の先生方が、このような「問題」の存在を全く理解していないのです。ですから、今の先生方では「ニオイのイジメ問題」には対応できていないのです。

一方、今の若いお母さんの方は、このような現実を自分たちがデオドラント世代であるためよく理解できるのです。
自分自身が多少なりとも、ニオイに気を使った経験があるため、自分の子供が体臭にまつわるイジメに遭遇することを心配するのです。

そこで、今回は、小学校低学年くらいの子供さんにワキガ臭を感じた時、親がどのように対応したらよいかをお話しましょう。

まず第一に大切なこと。
それは親が「過剰に反応」しないということです。

この頃の子供は、特に母親の一挙手一投足に非常に敏感です。母親の一言がその後の人生を左右するくらいに強く心に残ります。
一方、この頃の子供たちは、自分の体臭のことなど全く気にしません。意識にないのです。
しかし、母親が体臭を気にしすぎて、必要以上に心配したり、気にしすぎると、それは無意識でも子供たちの心の中に「臭いトラウマ」を残してしまうのです。

例えば、デオドラント剤などを強制的に使用させる行為も、無意識的に自己否定感を植えつけることになりかねませんから注意しなくてはなりません。

まず、親はあわてないで、「そっと見守る」という態度をとってください。

しかし、「見守る」というのは、「何もしない」ということではありません。
本人が、自分の体臭を「意識する時期」を見極めるのです。
小学校高学年になれば、自分で自分のワキガ臭に気づくこともあります。その結果「悩み」となることもあります。
その時期には、「気になる程度」が「悩みの段階」にまで発展しないように予防することが大切です。
こどもたちの心のちょっとした変化を見逃さないことです。
子供の方から、体臭の悩みを打ち明けたら、その時は、積極的に相談にのってあげてください。決して「たかが体臭で悩まないで、勉強でもしなさい」といった拒否的態度はとらないでください。

その時です。現在は良いデオドラント剤がありますから、その子に合ったものを購入して、使用するのがよいでしょう。ですから、お母さんはデオドラント剤の知識もあらかじめ勉強しておくことも必要でしょう。

では、「そのとき」つまり娘が実際にニオイを意識するまでにとる対応についてです。
実際にお母さん方が心配するのは、お友達が気づいて子供の間でうわさになって、イジメに発展することです。見守るだけでは不安でしょう。

そこで、お母さんにお奨めするのが、イオンクリアやイオンダッシュなどの「衣類にスプレーする消臭剤」です。(このHPに既に紹介してありますので参考にしてください。)
イオンクリアとイオンダッシュを、お母さんが、子供が学校へ行く前に、下着や制服に予めスプレーしてあげるのです。本人が知らないところでしてもよいし、「服を清潔にするスプレーよ」と言って、子供さんの前でしてもよいでしょう。

「衣類を消臭剤にすること」で、この時期のワキガ臭なら、まず他人(友達)に分かることはありません。当然イジメに合う心配もありません。

そして、小学校高学年くらいから中学校くらいになり、本人も自覚したら、市販の直接肌につけるデオドラント剤を併用するのです。
その時なら、自分からすすんでスプレーだどしてから学校へ行くでしょう。

さらにです。中学校から高校くらいになり、気にする程度が強くなり、「悩み」の段階となってきたら、手術以外の「外科的方法」を選択します。

それには、二つあります。

ひとつは「ボトックス」の注射です。ボトックスについては、既に説明してありますが、汗を減少させることでワキガ臭もかなり軽減されることが分かってきました。
ボトックスは、非常に簡単で、学校生活には全く支障ありません。

その上で、腋の毛がはえてきた子には、脱毛を兼ねて「電気凝固法のA法」を選択します。ワキガ臭が約半分軽減します。
ボトックスと併用するなら、70%くら〜80%程度軽減されるでしょう。

以上の方法は、生活にも支障なく、傷も残りませんので、外科的治療法の第一選択肢と考えるのがよいでしょう。

さらにです。高校生くらいになり、本人のワキガ臭の悩みが非常に強くなって、学校生活にも影響するようなら、手術法を選択するのがよいでしょう。
中学校高学年以前の時期は、まだアポクリン腺が成長途上であり、手術をしても再発する可能性がありますので手術法はあまりお奨めできません。

しかし、高校生くらいになったならアポクリン腺は十分大人の大きさになります。
手術では、ワキガ臭が100%完治します。汗も8割方減少します。
そのことで、学校生活が積極的で前向きなものになるなら、意味があるでしょう。

それだけの悩みがあるなら、術後のタイオーバーも我慢するでしょう。傷が残っても我慢できるでしょう。

以上、あなたの娘さんがこれからの成長する過程でニオイ問題をどう考えたらよいか、どのような治療法を選択したらよいかをおおざっぱに説明しました。

大切なことは、娘さんに無用な悩みを植え付けないこと。
しかし、本人が体臭を気にしたら、そのサインを見逃さずに、よき理解者になり、よき相談相手になってあげること。
さらに、さまざまな治療法ついて十分勉強をして、子供の成長に応じた治療法を選択してあげることです。
最後に、「ワキガは手術をすれば100%完全に治る」という事実を悩んでいる子供に伝えて、安心感と自信をもたせることも大切でしょう。

 

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