投稿者名:A医師
タイトル:心療外科についての質問
突然メールして申し訳ありません。 わたしは、外科の病院を開業している医師です。 実は、昨年、ある患者さんにわきがの手術をしたのですが、手術後に「治っていない」「まだ人から臭いをいわれるのでもう一度手術をしてほしい」と毎日のように来院して訴えるため、他の診療に支障がでるほどで、わたし自身がノイローゼなりそうです。 HPを検索していましたら、貴院が非常に多くの症例があるようで大変参考になりました。 やはり手術前に十分カウンセリングを行うべきであった点反省しています。 また、先生の著書を拝読して、先生のわきが治療は「心療外科」でなけれればならないというご意見に賛同いたします。 「心療外科研究会」という会もあるようですが、わたしも参加させていただいたいと思います。
投稿者名:五味院長
タイトル:心療外科研究会について
A先生。 先生のノーロゼになりそうなご心境はよくわかります。 手術をした患者さんから、術後にまだ臭うと訴えられることは、わきがの手術をする医師にとっての宿命でもあります。 なぜなら、わきが治療は、音や色と異なり、ニオイという曖昧な領域を扱い、しかもその判定は嗅覚という主観的な感覚に依存せざるを得ない医療分野でもあるからです。 ですから、わきがの手術をする医師は、少なくとも精神性の疾患による自己臭妄想を除外できるくらいの精神科的判断が要求されるのです。自己臭の患者さんを手術しないだけでも、術後のトラブルはかなり減少されます。 さらに、アポクリン腺のサンプルが常時あるという前提ですが、わたしが開発した「試験切開」を術前にすることで、ほとんどの問題は解決するはずです。サンプルが必要なら差し上げますので、ぜひ取り入れてください。 「心療外科」の考え方について先生から賛同され、非常に光栄です。 ただし、心療外科とは20年ほど前にわたしが提唱し、命名した名前ですので、心療内科のように厚生省でみとめられた診療科名ではありません。 外科の術後の心のケアを精神科の先生がフォローするような学際医学(リエゾン医学)の一形態と思っていただければよいでしょう。その両方を一人の医師が行うと考えればわかりやすいかもしれません。 わたしの提唱する心療外科とは、形成外科手技を考慮に入れつつ、患者さんの内面を重視して、必要なら精神医学的アプローチをするような医療分野です。 その対象となるのは、自己の身体像(ボディーイメージ)に対する負の意識(コンプレックス)です。鼻や目といった肉体的な身体像もありますが、自己の体臭というものに対する負い目は、自己の存在そのものに対する自信の喪失につながり、慎重な対応が要求されます。 時には手術ではなく、「世の中にはニオイ以外にも大切な価値がある」ということを知らしてあげるような実存的アプローチも必要となります。 このような分野の経験を意見交換しようというのが、心療外科研究会です。ですから、学会でも協会でもありません。私的な勉強会と思ってください。会員も少ないので、先生が入会されるなら大歓迎です。 入会金も会費も一切ありません。年に数回食事をしながら、意見の交換をするだけですが、雑談の中に参考になるヒントがあるかもしれませんのでぜひ参加してください。 なにか先輩づらした返答で申し訳ありません。(一応体臭多汗の分野を専門にして20年以上になりますので)
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