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 下着の黄ばみ=腋臭ですか?

 

投稿者名: ようこ

タイトル:下着の黄ばみ


 

こんにちは。彼の下着の黄ばみ(脇部分)がかなりきついのです。匂いもあるので、腋臭だと思います。
脇の下の汗の量も多いのですが、ところで、黄ばみがある人は=腋臭なのですか?HPを一通り拝見させていただきましたが、制汗剤による黄ばみではないと思います。
また、薬を塗っても治らない腋臭臭は、手術しか方法がないのでしょうか?
子供へ遺伝した場合、腋臭の匂いの程度は、父親と同じくらいになるのでしょうか?(強さも同じように遺伝するのでしょうか??)
教えて下さい。

 

投稿者名:五味院長

タイトル:下着の黄ばみと腋臭


 

ようこさん。

 

この質問は、あなた自身に関するものではなくあなたの彼についてですから、出来るだけ「一般的」な回答をします。

 

まず、黄ばみがある人=腋臭ではありません。
下着が黄ばむのは、普通のエクリン腺からの汗をかいたときも黄ばみます。ただこの場合には、アポクリン腺による黄ばみより薄いことが多く、黄ばみ境界もはっきりしていません。

また制汗剤での黄ばむものがありますがこの場合は当然制汗剤の使用を中止すれば黄ばみはなくなります。

また、稀ですが腋の下では皮脂腺の分泌が一時的に亢進したときも黄ばむ場合があるようです。

 

腋臭を「治す」という表現は、わたし自身も使いますが本当は適当ではありません。
腋臭であっても別に「病気」ではないからです。
ですから、「薬を塗っても腋臭が気になる場合に、完全にわきが臭をなくす方法は?」と聞かれたら、手術方法しか今現在はありませんと答えることはできます。

 

わきが体質は、優性遺伝で親から子へ遺伝します。
日本人の場合には10%以下だといわれています。
わたしのクリニックでのアンケート調査(患者さん)では、ほとんどの親のどちらかが耳垢が軟らかい人がいました。
しかし耳垢が軟らかいイコール腋臭というわけではありませんので、片方の親が腋臭の場合に生まれた子供の何%が遺伝するかは不明です。
一般的には30%くらい、つまり三人に一人くらいに遺伝するのではないかと言われています。

 

投稿者名: ようこ

タイトル:優性遺伝って?


 

ご回答ありがとうございました。
彼の黄ばみはとってもひどいので、腋臭と認めざるを得ないでしょう。。。
彼はニキビもひどいのですが、ニキビとアポクリン腺も関係あるのでしょうか?

 

それから、優性遺伝について説明していただけるとありがたいです。
優性遺伝とは、親から子に遺伝したとき目に見える遺伝で、劣性遺伝とは、祖のこの遺伝子に組み込まれているけれど見た目にそれが出ていないもの。
と、解釈していましたが、最近知人から「その解釈は違う。」と指摘を受けました。

 

> 日本人の場合には10%以下だといわれています。
> わたしのクリニックでのアンケート調査(患者さん)では、ほとんどの親のどちらかが耳垢が軟らかい人がいました。
> しかし耳垢が軟らかいイコール腋臭というわけではありませんので、片方の親が腋臭の場合に生まれた子供の何%が遺伝するかは不明です。
> 一般的には30%くらい、つまり三人に一人くらいに遺伝するのではないかと言われています。

 

親から子への遺伝する可能性は、10%ですか?それとも30%ですか?
私の父は腋臭で、3人兄弟のうち一番下の弟だけ腋臭です。うちの場合は、30%です。

私と彼が結婚した場合、私は腋臭ではなくても私の父が腋臭であることから、遺伝確率は高くなるのでしょうか?

 

 

投稿者名:五味院長

タイトル:腋臭の遺伝について


 

かなり高度の質問ですね。
このサイトの訪問者の知的関心の高さがうかがえますが、優勢遺伝について、分かりやすく説明することはかなり難しいです。

しかし、重要な問題も含まれていますので、少し詳しく説明しましょう。

 

ようこさんの理解していることは必ずしも間違いではありません。

私たちの体の遺伝子は仲良く二つづつ並んであるのはご存知ですね。これを「対立遺伝子」と言います。
この遺伝子の命令が体の特徴をつくるのですが、その遺伝形質の発現に関しては、その二つの対立遺伝子は決して仲良くないのです。
つまり、二つの遺伝子の特徴が両方一緒に体に出るのではなく、どちらか一つだけが発現されることが多いのです。
その発現しやすい遺伝子の方を「優勢」であるといい、そのような遺伝の仕方を「優勢遺伝」といいます。逆に発現しない方を「劣勢」と言います。

 

例えば、仮にA子さんの目の遺伝子に「パッチリ型」と「切れ長型」のふたつの対立遺伝子があり、「切れ長型」の方が優勢であったなら、A子さんの目は、パッチリと切れ長の中間の目ではなく、切れ長の目になるのです。

 

「耳垢の軟らかい」という特徴が、この優勢遺伝にあたります。
つまり、Bさんが、「耳垢が軟らかい」遺伝子と「耳垢が乾燥している」遺伝子のふたつの対立遺伝子があったら、「耳垢の軟らかい」という特徴をもった遺伝子が優勢であるため、Bさんの耳垢は必ず「軟らかく」なるのです。

 

ですから耳垢と関連の深い「腋臭」についても同じことが言えるのです。
腋臭は優勢遺伝のため、対立遺伝子の一方に「非腋臭」という対立遺伝子があっても必ず「腋臭」という遺伝形質となるのです。

わかりましたでしょうか?

 

腋臭の親から子への遺伝については、片親が腋臭の遺伝子を持っているか両親が持っているかによっても違いますが、日本人の場合どちらかが腋臭ならば統計的には約30%つまり生まれてくる子供が3人いたら1人くらいが腋臭の遺伝形質が発現すると言われています。
つまり、ようこさんお父さんの兄弟のケースとちょうど一致するわけです。

 

結婚による遺伝確率の問題は、また複雑な要因がからんでいて、非常に難しい「遺伝子診断」の領域に入りますので、わたしにはよくわかりません。
一般的には、あなたが腋臭でなければ確率はやはり30%と考えてほぼ間違いないでしょう。

 

しかし、ここで大切なことがあります。(ここが一番重要なことです)
通常、遺伝子により「疾患」として発現した場合には、現代医学が進歩したと言っても、治療がなかなか難しい病気が多いのです。


大切なことの第一は、まず腋臭は「病気」ではないということです。


第二は、仮に生まれてきた子が将来腋臭で悩んだとしても、その悩みは「正しい手術法」を選択したら、必ず解消できるということです。

 

ですから、結婚の際、腋臭であるかどうかなどという問題が考慮されることは、全く不要の条件であるということはここでぜひ理解していただきたいと思います。

 

 

投稿者名: ようこ

タイトル:優勢遺伝


 

ご回答ありがとうございました。
大変分かりやすく詳しく解説していただきましたが、やはり難しいですね。

 

> 「耳垢の軟らかい」という特徴が、この優勢遺伝にあたります。
> つまり、Bさんが、「耳垢が軟らかい」遺伝子と「耳垢が乾燥している」遺伝子のふたつの対立遺伝子があったら、「耳垢の軟らかい」という特徴をもった遺伝子が優勢であるため、Bさんの耳垢は必ず「軟らかく」なるのです。

 

ここの部分が少し分からなかったのですが、「耳垢のやわらかい」というのは必ず「優勢」なのですか?

それとも、片親がやわらかくて、もう片方が乾燥していた場合、産まれる子は、
1.両方の遺伝子を持っている→その場合、「耳垢のやわらかい」遺伝子の方が勝つ。 我が家で言うと私の弟のケース
2.片方の遺伝子しか持たない。→その場合、乾燥している子も産まれる。
 我が家で言うと私のケース
の二つの可能性があると言うことでしょうか?

 

黒人と白人の混血を見たことがありますが、白人よりは黒く、黒人よりは白い子でした。この場合は両方でたってことでしょうか?

 

腋臭からは話がそれましたが、遺伝って奥が深いですね。

 

 

投稿者名:五味院長

タイトル:より医学的に説明すると・・・


 

ようこさん。

 

超高度な内容になってきたようですね。
この辺になるとわたしの専門外ですが、前回の説明は分かりやすくするために、かなり単純化しています。

しかし実際の遺伝関係では、そのように割り切れて形質が発現するわけではないのです。
それは、対立遺伝子の組み合わせだけでなく、「環境」との相互作用によって決まるからです。

 

あなたが、疑問にもたれたのは、「優性」なら「全てに優先」ではないか、それなら黒人と白人の混血は中間の色なのはなぜか、ということだろうと思います。

そこで、今回はもう少し医学的に説明しましょう。

 

いま対立遺伝子Aとaとがあるとします。
これらが、結婚で組み合わせられるわけですから、その組み合わせは「AA」と[Aa]と「aa]の3通りがあります。

 

もしAAとAaとの組み合われた場合の体の特徴(表現型)が互いに外見上あまり区別できず、aaとは異なって区別できる時、Aはaに対して「優性」であるというのです。
ですから、もっと厳密に言えば、例えばある酵素の活性が、AAなら100%、aaなら0%とした場合に、Aaの活性はその中間の50%前後を示すこともあるのです。

つまり「優性」だからといって必ずしもその特徴の表現型が100%現れるわけではないのです。
これは、あなたの黒人と白人との混血の例からもわかります。

 

同じように、強度わきが体質の人とわきが体質でない人が結婚すると、その子供は「優性」の強度わきが体質に全てなるわけではなく、その中間の中等度のわきが臭や非わきが体質の子供がさまざまな確率で現れることもあるのです。

 

以上のように、優性や劣性という性質は遺伝子自体の性質というよりは、その遺伝子が染色体上で占めている部位(遺伝子座)の作用とその人のもつ全ての遺伝子全体によってもたらされる「環境」とが複雑にからみあった相互作用の結果なのです。

ですから、あなたの質問にあるように、「片親が軟らかく、もう片方が乾燥している場合は、なになに・・・」といった単純化した図式では、人間の体の「表現」は説明できないのです。

 

極端にいえば、父親がわきが体質で母親はわきが体質でない場合に、子供がわきが体質で生まれた場合、その「責任?」がすべて父親にあるとは決して言えないのです。
子のもっている性質は、やはり両親の両方からさまざまな相互作用の結果受け継いでいるのです。

子というものは、父親と母親との共同作品であるのです。

 

 

投稿者名: ようこ

タイトル:奥が深いのですね


 

こんにちは。

お忙しい中、丁寧な説明をありがとうございました。

 

遺伝は奥が深くて複雑なのですね。その反面、遺伝学はおもしろそうだなぁなんて感じ始めています。
学生の時、もっとしっかり生物の勉強をしておけばよかったなぁ。。。

 

今回とてもよく分かりました。
黒人と白人のこが中間色だったのも、先生の説明から見るとものすごくよく納得できました。

 

腋臭の質問から思わぬところにそれてしまいましたが、ありがとうございました。
とてもいい勉強になりました。

 

ところで、私は以前彼の腋臭のことで相談したことがあるのです。そのときは別の名前だったかも。。。自分でもその名前を覚えていません。
彼のメンタルな部分も気に掛けながらも、「彼が腋臭であると思う。。。」と言うことを告げ、病院にかかることを進めました。結局彼は病院にかかりましたが、皮膚科にかかってしまったため、手術の話にはなりませんでした。薬を付けても結構においます。彼の症状は強度でしょう。おそらく。

 

意を決して彼に告げたとき、彼から、「ぼくのためにそんなにいろいろ心配して調べてくれたんだ。ありがとう。」という感謝の言葉が返ってきて、感動して泣いてしまいました。
彼女である私に「あなたは腋臭だと思う。」と言われた彼は、とてもショックだったに違いありません。なのに、こちらを責める言葉は返ってきませんでした。私に言われたことに対しても、「君が心配してるほど、ぼくはショックを受けていないよ。」と言いました。(ただビックリしたのは、彼は強度の腋臭なのに、自らは気がついていなかったそうです。)

 

ここで相談してよかったなあと今回も、そしてそのときも感じました。本当にありがとうございました。

 

 

投稿者名: ようこ

タイトル:脇の色素沈着


 

たびたびすみません。
今度は自分自身のことについて質問します。
私は両方の脇の下が黒ずんでいます。いつからそうなったかは分かりません。中・高時代くらいからだと思います。清潔は心がけていましたが、おしゃれなどには無頓着な子供だったので、このころは脇毛の処理はしていませんでした。制汗剤も使っていません。それでも黒いというのはどういうことでしょうか?
母親からも、「脇の下黒いよ。」と鋭い指摘を受けます。細かい配慮ができない人なので、「身内が言ってやらなくては、他の人は言えないでしょう。あんたの脇が黒いって。。。」というひどいいい方で指摘され、一度は泣いてしまいました。
ただ、脇の下を手でこすって匂いをかいでも何も臭いません。耳垢もかさかさで白っぽいので、腋臭だと思ったことはないのですが。。。
腋臭ではなくても、色素沈着はあり得るのですか?

 

投稿者名:五味院長

タイトル:脇の色素沈着について


 

ようこさん。

 

今度はあなた自身に関するご質問ですね。
しかし、身内というものは、腹蔵なくものの言えるのがよいところですが、やはり親しき中にも礼儀ありというところも必要でしょうね。

 

わきの下が黒ずむのは、よく制汗剤を長期間使用している人にみられます。
また、腋の下に湿疹などの皮膚疾患になった後も色素沈着が残ることもあります。
アトピーによる皮膚炎でも色素が残ることもあります。
あとは、片方だけの場合にはアザがちょうど色素沈着のように見える場合もあります。

 

腋臭と皮膚の色素沈着との関係は全くありませんので誤解しないようにしてください。
色素沈着するのは、皮膚でなく衣類の方です。
(まれにアポクリン腺の分泌物の汗が皮膚を一時的に色をつけることもありますが拭けば消えます)
腋臭との関係では、手術後の色素沈着です。これは腋臭の手術が植皮術と同様に皮膚の毛細血管が一時的になくなることによって起こります。
しかし、これは皮膚が軟らかくなると自然に消えてきます。

 

あなたの場合には、直接診察してみないと原因は不明です。
皮膚科にて一度見てもらったらどうでしょうか。
一つだけ、ゆうこさんの色素沈着は腋臭とは全く関係ありません。このことははっきりと断言できますので安心してください。

 

 

投稿者名: ようこ

タイトル:ご回答ありがとうございました


 

ご回答ありがとうございました。

 

一つ思い当たる節がありました。
最近は全然問題ないのですが、昨年くらいまで長期間にわたってなぜか脇の下がかゆくて、ずっと掻いていました。それが原因かもしれません。

 

アトピーと診断されたことはありませんが、原因不明の皮膚疾患があり(背中。それほど広範囲ではない)あちこちの病院に通いましたが、原因不明です。
昔はニキビと言われ、ある病院では、「その診断は間違っている。」と言われ、2年前は、真菌性?と診断されました。結局のところ分かりません。
夏は特にひどくなります。ただ、32歳になった今、中・高時代よりはよくなりました。

 

ただ、脇の下に特にぶつぶつしたものはありませんでしたが、かゆみが長期間にわたったというのは、長年の皮膚疾患と関係していると思います。

 

 

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