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 わきが手術について親に相談するのに悩んでいます

 

投稿者名: かこ

タイトル:相談したい


 

手術のことで親に相談したいのですが、
何て言って切り出したら良いのかわかりません。

 

母に言おうかと思っているのですが、母はわきが体質ではないのです。
わきが体質ではない母に言って、相談をうけながれたらどうしようと
不安です。

 

でもわたしは父親とは仲が悪いし、やはり同じ女性である母に
相談したいのです。

 

それに加えてもう一つ悩みがあるのです。

 

現在、私には1年半くらい付き合っている彼氏が居るのですが
もし手術して、その後の色素沈着を彼氏に見られたら・・・・ということです。
多分わたしが、軽いわきがかもしれないということには彼は気づいていないと思うのです。

 

手術するにしても、親に相談しようとするにしても悩んでしまいます。

 

わたしの悩みはニオイよりも汗の量にあるように思います。
色素沈着のこともかなり気になるのですが・・・・。
(この色素沈着は美白剤か何かで、早く消えるようにすることはできますか?)


一体母になんて切り出そうか悩んでいます。
何か良いアドバイス、お願いします。

 

投稿者名:五味院長

タイトル:親への相談の仕方


 

かこさん。

 

かこさんのご質問は、今までの質問の中でもかなり返答しにくい問題を含んでいます。

しかし、今あなたが「悩んでいる」ことは事実ですので、その悩みを解決する手立てを一緒に考えていきたいと思いますが、その前にあなたの今置かれている状況を整理してみたいと思います。

 

まず、親子関係の問題です。
仮に成人しているとしても手術ですから、親の納得や協力はぜひ必要なことと思います。
しかし、ニオイに関して全く関心のなかった親に突然手術の話を切り出して賛成するとは思えません。
「お前の気のせいだ」「そのなことで悩む暇があったらもっと勉強しなさい」「たかがニオイくらいで悩むんじゃないの」などと軽くあしらわれるのが落ちです。
親の反応はそれでもよいのですが、問題はあなたの「こころ」の問題です。
父親は別としても少なくともあなたにとって母親には自分の気持ちのありのままをわかってほしいと願っているようですから、仮にそのような反応をされた場合のあなたの「心の傷」の方が心配です。

 

ですから、最悪の場合でもあなたの心傷が最も最小限に抑えられる形できりだすことが大切です。

 

この辺のことは、掲示板の他のみなさんで同じような経験をされた方の意見も聞いてみたらどうでしょうか?
みなさん。かこさんに、ご自分の体験やアドバイスがありましたら書き込みをお願いします。

 

次に整理しないといけないことは、あなたの「悩みの質と量」の問題です。

あなたは、(勿論本当の心のなかでは違うかもしれません。もし間違っていたらごめんなさいね)ご自分で「軽いわきがかもしれない」、「悩みはニオイより汗にあるよう」、「色素沈着のこともかなり気になる」というふうに説明しているように、
一般的にわたしのクリニックで手術される患者さんに比較して、悩みの「質と量」の総体量が、若干低いような印象を受けました。

 

ですから、わたしのクリニックでの「わきが手術適応の3条件」
(1.自己診断法の条件がはっきりとある 2.アポクリン腺のニオイとエクリン腺のニオイが区別できる 3.悩みの解決が手術に十分見合うだけ大きい)
を満たさない可能性もあります。

 

わたしのクリニックでは、例え親が気になり子供を手術に連れてきても本人が悩んでいなかったり、アポ臭とエク臭が区別できない場合には、手術を引き受けることができません。

 

それに順ずる形で、あまり悩みの強くない患者さんは、できるだけ手術以外の方法で悩みを解決するように薦めています。

 

そのようなわけで、あなたの「悩みの本質」をもう一度整理してみてください。
そして、もう一度、わたしにあなたの本当の気持ちを教えてください。
その後でまた、その悩みの解消法を一緒に考えていきましょう。

 

投稿者名: かこ

タイトル:悩みの本質


 

悩みの本質をわたしなりに考えてみました。

 

ここで、他の皆さんの記事も読み返してみると、確かに私の「悩み」は、若干まだ軽い様な気がしました。

 

でもクリニックの「わきが手術適応の3条件」を考えてみると、

 

1. 自己診断法の条件がはっきりとある
2. アポクリン腺のニオイとエクリン腺のニオイが区別できる 

 

はきっと満たしています。

 

1.は私が考えるのが、「耳垢が柔らかいということ」です。
2.も区別できます。

 

エクリン腺のニオイとは明らかに違うのが分かります。
私が高校生だったころ、同じクラスの子でひどいワキガの子がいたのですが、なんだか私のワキの汗の臭いも似ているのでは!?と思ってそれとなく気になり始めました。
(その子はワキの毛も処理していなかったため、あんなに臭っていたのだと思うのですが。)

 

3.はやはり満たすと思うのです。

 

ニオイよりも汗の量の方が気になるといっても、やはり臭いも気になっているのです。全く気にならない訳ではないのです。

汗がたくさん出ると、服に染みてきて、それを誰かに見られたら恥ずかしくて、腕をすんなり挙げることができません。

 

もしこれらの悩みが解消されたら気持ちが軽くなるに決まっています。
わたしの行動がもっとアクティブになるはずなのです。
脇のことを気にせず腕を自由に動かせるようになるはずなんです。

 

ただ、手術にあたっての不安要素を考えるとこうなります。

 

汗の量がへるのは嬉しいし、臭いも気にならなくなって嬉しい。→傷跡とかのことも、この2つの嬉しいことによってあまり気にならないだろう。→でも色素沈着のことが一番の不安だ。

という具合なのです。

 

ここで色素沈着に関しての悩みが出てくるのです。
(もともとの今の色素沈着もだいぶ気になっていますが。)

 

傷は少しくらい残っても大丈夫!と思えますが、
もし皮膚に色が付いて残ってしまったらどうしよう・・・。というふうに考えてしまうのです。

 

手術に関しての不安はもちろん他にもあります。でも言い出したらキリがないですよね?(痛かったらどうしようとか)

あえて、悩みを大きさで表すと、 汗の量=色素沈着>臭い という具合なのかな、と思いました。

 

それに手術することによって「わたしはもう大丈夫!」という安心が得られるということも悩み改善の大きな要素になるのでは、と思うのです。
だからできたら手術を受けたいと考えるようになったのです。

 

私の気持ちはこういうものです。
これを読んで先生はどう思われたでしょうか。


 

 

投稿者名:五味院長

タイトル:もう大人のあなたへ。


 

かこさん。

 

1回目の投稿と今回の投稿の内容を比較して、あなたが別人のようにも思えます。
と言うよりも、かこさんが投稿と言う形であなたの気持ちを書き込むことによって、あなた自身が確実に成長しているのでしょうか。

 

いずれにせよ、このように自分の「心を整理して現す」ことができることに感心しました。
わたしが感心しているだけでは、あなたの悩みは解決しないのですが、でもあなたが自分の「心を整理」して考えることは「悩みの本質」を知ることでもあり、「悩みの解決」の第一歩なのです。
整理するということは、身の回りだけでなく「心」にも必要なのです。
そのような意味から言えばかこさんは、もう十分大人といってもよいでしょう。

大人のあなたなら、「親との関係」をあなたが傷つかないような形で構築できると思いますので、「親への相談の仕方」についてのわたしからのアドバイスはもう必要ないでしょう。

 

しかし、今回の質問のなかでもあなたが最も気にしているのは術後の「色素沈着」のようですね。
この点については、ちょうど今日「憩いの広場」の方を見ましたら、「吹田の主婦」さんからの書き込みがありました。
一年ほど前に娘さん2人と親子3人でわたしのクリニックで手術を受けられた方ですので、「生の情報」として参考になるでしょう。
「かこさん」というのは同じ人でしょうか?
もし、同じ人ならお礼のメッセージを簡単に書き込んでおいていただけますか。

 

いずれにせよ、3人の例は術後の色素沈着の説明には非常にわかりやすいでしょう。

つまり一般的には、術後数ヶ月は薄茶色に色素がつきますが、6ヶ月くらいから次第に薄くなり、1年以上たつと「ほとんど」の人が「ほとんど」目立たなくなり、普通と同じ色になるということです。

 

しかしです。
何事にも例外があります。色素沈着にしてもしかり。
中には、吹田の妹さんのようにケロイド体質であっったり、メラノサイトという色素が皮膚に元々多い体質であると、程度の差はありますが、目立つこともあるのです。
(ケロイド体質の場合には、予防の注射である程度まで目立たなくすることはできます。また色素の多い人でも、年月が経つと次第に目立たなくなるものですし、色素を薄くする軟膏のあることはあります。)

 

ですから、問題は自分が「例外」にあたった場合です。
そのときにどのような心構えがあるかが大切なのです。
わたしが、「悩みの強さ」を手術の適応で最も重視するのはこのことなのです。
仮に、悩みが大きい人なら、その悩みから開放された喜びも大きいでしょう。
そのような人なら、多少の色素沈着や傷の心配は、その喜びが消し去ってくれます。
しかし、さほど体臭の悩みが強くなければ、傷や色素の沈着は「新たな悩み」となってその人を悩ませることでしょう。

 

わたしが、手術の前に患者さんに口を酸っぱくして「目立つこともありますよ」と説明するのは、正しい情報提供としては事実に反するかもしれません(ほとんどの人が目立たなくなるのですから)。
しかしわたしは、そのような説明を単なる情報としてではなく、患者さんだけしか知らない「あること」をわたし自身が知るための手段ともしているのです。

 

そのあることとは、患者さんの「悩みの強さ」です。

 

つまり、わたしにとって「多少の傷など気にしません」という答えは、「ぜひ体臭の悩みから開放してください」という私に対する心からのメッセージでもあるのです。
傷や色素沈着は、体質が関係する神様の御機嫌の領域です。
しかし体臭を完全に治し汗を出来るだけ抑えるという点については、わたしの「専任事項」です。
この一点に関してのお願いなら「よっしゃ、まかしてや」と全神経を手術に集中できるのです。

 

話が大分逸れましたが、大切なことは「自らを知る」ということだと思います。
まだ若いあなたには難しいことかもしれませんが、もう大人のあなたなら「本当の自分」を知ることができるでしょう。
手術を決める前に、もう少し時間をかけてじっくりと考えてください。

 

 

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