投稿者名:五味院長
タイトル:やっと分かってきました
くろの君
あなたの質問を繰りかえし拝見して、しだいにくろの君の体臭多汗の原因がはっきりとつかめてきました。
まず、あなたは「自己診断法」の条件に、耳垢の状態などがあたっていますので、基礎的には腋にアポクリン腺があることは事実です。
しかし、その量はあなたが考えているより少ないようです。
にもかかわらず、実際にあなたの体臭が他人の態度を惹起するほど強いとするならば、それは今回質問にあるような「精神性発汗」が原因だと思います。
つまり、このような場合には、手術の適応を考慮する上で最も慎重にならざるをえないケースなのです。
なぜなら、あなたは純粋にアポクリン腺のニオイを気にしているだけでなく、普通のエクリン腺のニオイも含めて気にしているからです。
仮に手術によって、アポクリン腺のニオイは完全に無くなったとしても、エクリン腺は一部残るのですから、あなたにとって「手術前に気にしていたニオイ」は手術後も以前と同じようにあるわけです。
その上にあなたの場合には、他人のしぐさや態度に異常な「関心」をもっていますから、もしクラスのだれかが風邪をひいたとき咳き込んでも、あなたはきっと「それは自分のワキガ臭のせいだ。せっかく手術をしたのに治っていないのだ」と考えることは容易に想像できます。
つまり、その時点であなたの悩みは治っていないことになります。
「体臭の治療は悩みの治療」です。
あなたのワキガが完全に治ったとしても、あなたの悩みが治らなかったら手術の意味はありません。
そのような点を考慮すると、やはりくろの君の場合には手術の適応の「時期」が大切のなります。
誤解しないでください。わたしが絶対手術をしないと言っているわけではないのです。
ただ、「今」はその時期ではないと言っているのです。
あなたは、たしか中学3年です。
あなたは、「もう中学3年」だと感じるかもしれませんが、オジサンのわたしからしたら「まだ中学生」です。
これから、数年でいろいろな体験ができる年です。
いろいろな経験をしなければいけない年です。
そのような貴重な年月を経た後で、手術をするかしないかを決めても遅くはないでしょう。
わたしは、逃げも隠れもしません。
まだ体力も気力もありますから、もう10年くらいは現役で手術はできるでしょう。
そのときには、あなたのご希望に添えるようにぜひ協力したいとおもいます。
いずれにせよ、もう少し待つことです。
辛いことですが、もうすこし我慢してください。
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