投稿者名:五味院長
タイトル:試験切開の効用
美輪さん。
試験切開の長所は、正しい診断(つまりアポクリン腺の量がわかること)だけでなく、最適な治療法選択の判断基準にもなるのです。
試験切開は、検査に続いて手術や電気凝固法が出来る準備をしてからも可能です。
これを「試験切開後手術」また「試験切開後電気凝固」と呼んでいます。
このような方法をとると、例えばアポクリン腺がさほどでなく軽症のワキガ症であれば電気凝固法でもある程度までの満足が期待できますし、また中程度から重度のワキガ症であれば、電気凝固法での完治は不可能ですから手術法を選択することの目安にもなります。
試験切開によるアポクリン腺の量は、治療者だけでなく、患者さん本人にも鏡でわかりますから、わたしから教えてあげるだけでなく、自分でも確認できるわけです。
このような手技をしますと、適切なインフォームドコンセントだけでなく、患者さんが自分の治療法を自分で決めるメルクマールともなり、そのことは患者さんの「自己決定権」を高めることでもあるのです。
わたしは、体臭多汗の悩みは医者に全てもまかす受身の姿勢でなく、手術法の選択も含めて自分自身で解決しようとする「意思」も大切だと思っています。
そのような自分の「意思」や「努力」によって体臭多汗の悩みを解決した人なら、その後の社会における人間関係にどれほど大きな自信を与えてくれることでしょう。
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