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 食生活の変化のために体臭が強くなることはありますか

 

投稿者名:RYO

タイトル:腋臭?


 

はじめまして、20歳の男性で大学生です。

耳垢も基本的に湿っていて、遺伝的にも問題が有りそうです。

陰毛で白い粒を見たことも有ります。 体系は普通ぐらいで170cm60kgです。

最近、急に体臭がきつく成りました。

それ程、汗をかくわけではないので、腋臭だと思うのですが ホルモンに関係しているのに20歳で症状が表れ始めるのは変な気がします。(他の病気の兆候のような気もします)

一人暮しを始めたことによる食生活の変化や 運動をしなくなったこと等の変化が もともと有った腋臭を助長したのではないかと思うのですが、 そう言う事は有るのでしょうか?

また、腋の手術が一般的なようですが 他の腋臭で臭う部位は生活の中で問題に成らないという事なのでしょうか?

よろしく御願いします。

 

投稿者名:五味院長

タイトル:食生活と体臭の関係


 

RYOさん

 

あなたのケースでは、「腋毛に白い粉」が付くということですので、ワキガ体質であることはまず間違いありません。

また20歳前半までは、ホルモンの変化によってワキガ臭が強くなるということはありえます。

しかし、RYOさんの場合には、いままでさほど気にしていられなかったのに、一人暮しをはじめて生活が変化してから体臭が強く感じるようになったということですから、「食生活の変化」が一般的な体臭を増加させているということも考えられます。

そこで、ここでは「食生活と体臭」との関係について説明しましょう。

 

人間が体から放出する全てのニオイ物質の原料は、食事として摂取した食べ物ですから食事が体臭に影響することは当然です。

たんぱく質からのニオイ生成過程については、以前お話しましたがもう一つ体臭に関係するものが「脂質」です。(むしろ脂質の方が重要です)

なぜなら、体臭の最大の要因である皮脂腺やアポクリン腺からのニオイ物質の元はほとんど「脂質」からつくられる脂肪酸やアルデヒド類だからです。

それでは、体臭を減らすのには「油」を摂らなければよいのではと考える向きもあるでしょうが、事はそんなに簡単ではありません。脂質は生体膜の構成成分でもあり、脂溶性のビタミンの吸収を助けたりする大切な役目があります。

脂質の摂取不足は、皮膚の健康を害して、不快なニオイの発散を予防している皮脂膜の形成がうまくいかなくなり、かえって体臭をつよくしてしまうからです。

皮肉なことに、ニオイの予防のためにはニオイの原料となる脂質を適度に摂取することが必要となるのです。

そこで問題はどのような「油」の摂取が体臭の予防という観点から良いのかということです。

 

脂質の違いは、含まれる「脂肪酸」の違いで決められます。

まず、言えることは、ラードやバターなどの「動物性の脂肪酸」は皮脂腺やアポクリン腺の活動を過剰に刺激したり、アラキドン酸という健康な皮脂膜の生成を阻害する炎症性メヂエーターを作りやすくするので控えめにするべきです。(欧米人の体臭が強いのは肉食中心の食生活が原因であると言われるのはあながち間違いではありません)

次に植物性の油では、「リノール酸」は血中のコレステロールや中性脂肪を増加し、しかも体内で酸化して「過酸化脂質」になりさまざま短鎖の脂肪酸などのニオイ物質をつくりやすくしますので、紅花油なども控えめにしたほうがよいでしょう。

通常使われるサラダ油にもリノール酸が30%以上含まれています。

体臭予防の観点からお薦めできる油は、まず「オレイン酸」が多く含まれるオリーブ油です。オレイン酸は二重結合が一つしかない1価の不飽和脂肪酸であるため「酸化」されにくく、したがって過酸化脂質もつくりにくいので体臭予防としては優等生の部類に入るでしょう。 しかし、さらに理想的なのはシソ油やゴマ油(ゴマ油は使い方に注意)に多くふくまれる「αーリノレン酸」です。αーリノレン酸は、多価の脂肪酸のため酸化はしやすいのですが、体内の組織中では酸化しにくいEPAやDHAに転換します。

これらの脂肪酸は血中のコレステロールなどを低下させるだけでなく、抹消血管の血液の流れを改善するため皮膚組織にたくさんの酸素を供給することができます。既に説明した通り皮膚の酸素不足は「臭う汗」の最大の原因となります。

これらの油の摂取量ですが、体臭予防という意味からは脂質の「酸化」を防ぐような摂取の仕方をするかどうかによって異なります。

例えば、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEの多くふくまれる食物と一緒に摂取する場合には1日に子さじ10杯から15杯(調理ではその三分の一くらい)程度までは問題ないでしょう。

 

そして最後にもうひとつ大切な点があります。

それは、体臭予防というより「体臭消去作用」のある「酢」をどれだけ取るかということです。(酢の効用についてはまた別な項目で説明します)

「油」と「酢」は必ず組み合わせて摂取するようにしてください。

 

以上ですが、あなたの場合には食生活の改善と前に説明した有酸素運動そしてストレスを溜めこまない生活を心がけることで、かなりの体臭を減少させることができるでしょうから、今は手術のことは考えずに生活を整えることを第一としてください。

 

投稿者名:RYO

タイトル:追加質問


 

ありがとうございました。

次いでと言ってはなんですが、ごま油の使い方を知りたいです。 御願いします。

 

投稿者名:五味院長

タイトル:ゴマの体臭予防作用


 

RYOさん

 

分かりました。ごま油については少し特殊なのでここで説明します。

 

体臭発生の原因のひとつが油のような「酸化」されやすい食物の摂取にあります。

逆に「抗酸化作用」のある食物は体臭を減少させます。

多くの食物はこの二つの作用は別々です。 ところが、この両方の作用を同時に持っているのが「ごま油」なのです。

ですから、ごま油はその使い方によっては体臭を増加したり減少させたりと「両刃の刃」のようなものなのです。

ゴマにはセサミンを始め抗酸化作用の強い「ゴマリグナン」という物質がたくさん含まれています。つまり、ゴマ自体が「体臭予防食品」なのです。

 

ところが、「ごま油」となると事情が少し複雑になります。というのは、ごま油には、比較的酸化されにくい「オレイン酸」や「αリノレン酸」とともに、酸化されてニオイを作りやすい「リノール酸」もかなり多く含まれているからです。

ですから、オリーブ油のように「がぶ飲み」できるようなものではなく、適量を毎日継続的に摂取することで始めて効果が現れるものです。

しかも、ごま油の鮮度も大切です。古くなったごま油は、抗酸化作用より酸化作用の方が強くなってしまいます。体臭消去効果のためには、ごま油は出来るだけ搾りたてのフレッシュなものを摂取する必要があるのです。

もし、期限がたったものでは、一度高温で火通した方が安全でしょう。ゴマは高温の火を通すことで酸化が予防されるだけでなく、ゴマリグナンの中でもより「抗酸化作用」のつよいセサモールという物質に変化するからです。

ですから、ごま油は取り方がなかなか難しい食品なのです。

 

もしあなたが体臭予防を目的でゴマを食生活に取り入れるなら、「ごま油」でなくむしろ直接「ゴマ」を食べるほうがよいかもしれません。

なぜなら、体臭予防的にはもうひとつの抗酸化作用のあるビタミンEの摂取が不可欠なのですが、このビタミンEというものは一体どのような食品に多いのかはっきりしないものです(胚芽などに多いのですが)。 ところが、ゴマにはこのビタミンEの抗酸化作用を著しく増強する作用があるのです。ということは、あえてビタミンEを摂取しようとしなくとも、ゴマを毎日子さじ1杯程度食べていれば、十分なビタミンEを食べたのと同様な効果が期待できるからです。

ただし、ゴマは生のままでなく、必ず一度煎るなり火を通したものを食べるようにしてください。

 

以上ですが、参考になったでしょうか?

食事がどれだけ体臭の増減に関係あるかがわかっていただけたでしょうか。

体臭予防の第一歩は、食生活の改善にあることがおわかりいただけたら幸いです。

 

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