投稿者名:五味院長
タイトル:心配するのは当然です
さとさん
さとさんの投稿を読ませていただいてわたしは医療者として新たな自覚をさせていただきました。
それは、わたしたち医者にしたら多汗とわきがの手術は「職業」であり「毎日の自然な行為」です。
しかし、患者さんの立場に立てば、人生で始めての「手術」でありはじめての怖い「経験」 であるのです。
毎日ルーチーンに手術をしていますと、こんなことでなぜ怖がるのかと思うほど緊張してしまう患者さんもいます。
しかし、それが当たり前のことなのです。 だれしも人生で初めての経験に「不安」にならない人はいません。
正直にいってこのわたしが逆に患者さんの立場に置かれたら「死ぬほど怖がる」ことでしょう。
わたしは、いつもこのような当たり前の前提に立って診察や手術をしているつもりです。
患者さんを不安にさせないような気配りは人1倍しているつもりです。
それはなにも言葉に表さなくともわたしの目線や行動からも現れるものです。
手術の仕方でもしかりです。
わきがの手術は皮下のすぐ下が手術野となるため患者さんは通常の手術のような不安は手術が「始まってしまえば」あまり感じないものです。
それでもぎこちない「手さばき」をされたなら不安になります。
これは、わたしの手前味噌になりますが、20年間同じ手術に専念したためこの手術のリズムにはわたしは非常に自信をもっています。
患者さんは手術を直接は見てはいないものの、局所麻酔で意識はしっかりしているのですから、手術の進行がスムーズに行われているかどうかは、そのリズムやテンポですぐわかります。
ですから、さとさん。手術そのものにたいする不安は絶対に必要ありません。
ただし「傷」に関しては別です。 わたしたちが、全く同じようにしても「ごく少数」の人は体質的に傷が目立つ人もいるからです。
傷に対する不安はわたしたちには解決できません。
それを解決するのは、あなたが将来手術によって体臭多汗の悩みから開放された時の喜びがどれだけ大きいかによるのです。
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