投稿者名:五味院長
タイトル:お答えします
ちゃいさん
ワキガ多汗症の治療では手術を受ける前に大切なことがいくつかあります。
まず、本当に腋臭症であるかの「診断」です。
これは、無論、自覚的にもた他覚的にも分かりますが、客観的な診断基準があります。 それは、いくつかの条件です。
まず、耳垢が軟らかいこと。この条件はかなり有効です。
なぜなら、外耳道には、ふつうのエクリン腺は存在しない場所ですが、ここが湿っていることは ワキガの原因であるアポクリン腺があるということです。
ここに存在するならば当然脇の下にもあることが分かるのです。
それ以外にもいくつかの条件があります。(より詳しくはわたしの本の自己診断法を参考にしてください)
でも、これらの条件は絶対とはいえません。
条件が無くとも手術をしてみるとアポクリン腺がたくさんあることも多いのです。
より正確な診断は「試験切開」という検査で直接皮下のアポクリン腺量を確認することで可能です。
これらの診断ができたら、次はあなたが「体臭」についてどのくらい気にしているかという悩みの強さを考えてください。
つまり、ニオイの治療は、悩みの治療と同意語なのです。
いくら、体臭が強くても本人が気にしていなければ治療の対象になりません。
例えば、一回の手術によって体臭の悩みから開放され将来の人生に前向きの生き方が出来るようになるなら、それはものすごく意味のあることでしょう。
そのような人なら、手術に伴うさまざまな心配事も乗り越えることができます。
たとえば「傷」です。 ワキガ手術は、再発のないように完全に行った場合には(正しい手術法についてはまた別の機会に説明します)「植皮術」と同様な状態に一時的になりますので、ケロイド体質などの皮膚の性質によっては傷が目立つこともありうるのです。
勿論普通の人では、1年ほどするとほぼ目立たなくなりますが、そのような人もいるということは術前に頭に入れておくことも必要です。
(傷はつきませんよと説明する病院がありましたら、将来かならず再発すると思ってよいでしょう)
以上のことが、納得した上なら、アポクリン腺が原因となる「腋臭症」は、将来再発のないように100%完全に治すことができます。
そのためには、原因となるアポクリン腺(イクラの粒のように明確に目で見えます)を、術者が直視下にて確認しながら導管部という腺根まで含めて取り除かなくてはなりませんがその方法はまた説明いたしましょう。
いずれにせよ、ワキガは治ります。
しかし、まったく傷が残りません(全く残らない場合も多いのですが)と保証できるほど簡単な手術ではないのです。
ちょっと長くなりましたのでこれでおしまいにしますが、手術内容についてのさまざまな疑問は、遠慮なくこの掲示板でご質問ください。
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