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 半年後に結婚予定なのですが、今手術して半年後に傷はなくなりますか?

 

投稿者名:あき

タイトル:手術の傷について


 

25歳。女性。会社員です。

私の姉が1年前に五味先生にワキガの手術をして頂きました。

今は臭いもなくなり、傷もきれいだそうです。大変喜んでいます。

有難うございました。

 

実は、私も脇の 汗と臭いで悩んでおり、近々先生に手術をお願いしようと思っているのですが、半年後に結婚の予定があります。

彼には手術のことは内緒にしておきたいので、傷のことが気になります。

姉の場合も傷は残 っていませんし、過去にこの掲示板で五味クリニックで手術を受けた人 も傷はきれいですと書いてありましたが、先生の回答をみると「傷が目 立つこともあります」と説明されています。

 

そこで質問ですが、姉 の場合に傷が残らなかったということは、私も半年後には傷が目立たな くなると考えてよいのでしょうか。

皮膚の体質によっても違うことはわかりますが、宜しくお願いします。

 

投稿者名:五味院長

タイトル:これから手術を受けようとする人へ


 

あきさん そしてこれから手術うけようとしている人へ

 

半年後の結婚を控えている女性にとっては、手術後のキズが気になるのは当然です。また、これから手術を予定している人も、関心のあるところですので今回はすこし長くなりますが傷について詳しく説明しましょう。

 

結論からいいますと、1年以上経てば普通は「ほぼ」目立たなくなりますが「例外」もあるということです。

実は、わたしのクリニックでは手術後に必ず検診を行っているのですが、そのとき「思ったほど傷が目立たなくて安心した」という感想の患者さんが多いのです。

その理由は、わたしが手術前に必ず「キズについては覚悟しておいてください」と念をおして説明するからです。逆に言いますとわたしのクリニックでは、少しのキズでも気にされるような人は手術を引き受けないことにしているのです。

 

最悪の状態をも想定した上でも尚且つ手術を受けようとする人には、臭いの悩みが解消したときの「感謝してくれる心」があります。これこそが、われわれ治療する者にとって最も嬉しい気持ちなのです。

そのような人なら例え思いのほか傷が残った場合でもきっと我慢してくれるはずです。

 

話が横道にそれましたが、ワキガ多汗症の「完全な手術」と「キズ」とは二律背反の関係があります。

再発しない手術法では毛細血管が分布する導管部を摘出するため、術後必ず「植皮術」と同様な状態になり、植皮であるかぎりケロイド体質ではキズが目立つことがありうるということです。

逆にいうならば、再発してもよいというならば、導管部を残せばよいのですから全くキズが残らないような手術も可能なのです。

 

あなたの質問にもどりますが、「もし結婚式の前後だけワキガの臭いがなくなるならその後は臭いがしてもいいです」というような希望であればキズが全くないような手術も可能です。(毛細血管を残せばよいのです)

しかしそれらはわたしの治療方針に反します。せっかく直視下で完全に治せる方法を選択するのですから一生臭いの悩みから開放されるような治療をうけるべきではないでしょうか。

 

ここで過去15年ほどのわたしのクリニックでの傷に関する統計をおおよそですが説明しましょう。 まず、全くキズも色も残らない人が約5割くらいです。

次に、ほとんどキズが目立たない(よく見ればわかるが)人が3割くらいです。

さらに、切開部のキズや糸の跡が一部残ったり、一部の皮膚がやや変色した人が約1割です(臭いの悩みがなくなった方を優先しているためキズの悩みにはならないケースです)。

 

問題は残りの1割の人です。

1割のなかで約三分の一は、ケロイドの傷が目立つけれど本人が気にしていない人です。

あとの三分の一がケロイド体質でかなりキズが目立つために本人もやはり気になる人です。

そして最後の三分の一の人は、われわれから見てもさほど目立つ傷でもないのに本人は神経質に気にする人です。

つまり、8割から9割の人は1年から3年ほどたてばほぼキズが目立たなくなっているわけです。しかし約3%から6%の人は「キズが目立つ」か「目立たないが気にしている」人ということになります。

特に後者をゼロにすることがわたしのクリニックの課題なのです、

この数字を多いと見るか少ないと見るかは議論が分かれるところと思いますが、わたしにとって百人の内一人でもキズについて気にされる人がいるということは、重大な問題なのです。

 

勿論今はケロイドでも予防の注射や傷取り手術である程度まで目立たなくできますが、「さほど目立たないのに気にする人がいる」ということがわたしが手術の前にこれらの「事実」を口をすっぱくして説明することにしている理由です。(おかげで最近はこのような人はほとんどいなくなりました)

 

それでは、あきさんが手術を受けた場合の後の傷の治癒過程を順に説明しましょう。

まず2週間後に2回目の抜糸をするとお風呂に肩まで入れるようになるのですが、この段階ではまだ患部を洗うことはできませんので非常に目立ちます。

特に、患部は硬く、かなり黒ずんだ色素沈着が起きます。また腕を急激に動かしてしまった人は切開部が白く離れていることもあります。さらに患部の周囲に点点とかさぶたのような糸の跡が残ります。

1ヶ月ほどすると、患部を洗うことが出来ますのでかなりきれいになります。

ただし、ワキの色が茶色に色素沈着しているのと皮膚の硬さはまだ続きます。

3ヶ月ほどすると色はややうすくなり硬さもとれてきますが、まだすこしつっぱった感じは残ります。周囲の点点はほぼ目立たなくなります。

さらに6ヶ月ほどするとかなり硬さもとれますが色はまだうすく残っていることもあります。

ここから1年ぐらいしますと、普通は色もほぼ目立たなくなり、硬さももとの状態にもどります。

 

ただし、6ヶ月から1年にかけての変化はその人の皮膚の性質によりかなり差がでます。なかには半年でほとんど目立たなくなる人もいれば、尚且つ色素沈着が強い人もいます。

2〜3年もたてば、統計で説明した通りの状態になります。

 

 

経過は以上ですが、あきさんの場合お姉さんが傷がきれいだということであるならまずケロイド体質ではないと思いますので、半年後の結婚式にはある程度まで目立たなくなるとは思います。

しかし姉妹でも皮膚の性質は全く違うこともあり、術後の腕の動きなどでも傷の残りに差がでますので、彼に気づかれずに済むかはなんとも言えません。(1年たてば大丈夫でしょうが)

 

しかし、これはわたしの個人的な意見ですが、あなたの場合には彼に内緒にする必要はないのではないでしょうか。 体臭多汗の手術は、美容外科の手術とは根本的な違いがあります、美容手術は、「人より美しく」というベター志向の手術です。ところが体臭多汗手術は、「体臭で他人に迷惑をかけたくない」「他人と同じだけの汗に」というノーマル志向の手術なのです。

決して贅沢手術ではありません。しかも手術の動機となる悩みの本質は「人を思いやるこころ」にあるのです。

そのような目的の手術を隠す必要があるでしょうか。まして、これからの一生を共にすごす彼に悩みを打ち明けられない理由があるでしょうか。 勇気のいることとは思いますが、思いきって打ち明ければ、彼はあなたの悩みを共有してくれるのではないでしょうか。 手術のキズについては以上です。

 

どのような手術でも「例外」ということはあります。 ワキガ多汗症の手術でも同様です。ほとんどの人は大丈夫ですが「キズが目立つこと」もあるということも忘れないでください。

 

このことを十分納得して、なおかつ体臭多汗の悩みを解消して将来前向きな生き方をしようという人は、わたしのところに来てください。

わたしが責任をもって手術をしたいと思います。

 

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