投稿者名:五味院長
タイトル:お答えします
祐子様
この掲示板は失礼なことでもなんでもかまいません。汗と体臭に関することでしたら遠慮せずに質問してください。
さて、ご質問のワキガの人と普通の人との違いですが、これは体質的に明確な差があります。 それは、脇の下にある「アポクリン腺」という特殊な汗腺の「量」と「質」の差です。
汗腺には体温を調節するエクリン腺という汗腺がありますがこちらの方はだれしも必ずある汗腺で全身に分布しています。
一方、アポクリン腺は人種によってもまた個人によってもその量や質に違いがあり、日本人は人種的に少なく(一粒もない人も多いのです)、そのことがワキガ臭が嫌われてしまう理由でもあるのです。
ワキガ体質であるかどうかは、耳垢が軟らかいかどうかなどの「自己診断法」も参考になります。しかし実際には、ワキガ臭の強さはアポクリン腺の質にも関係があり、これは「試験切開」という検査をしなければ分かりません。
しかし、ワキガだからといって病気でもなんでもないのです。あなたも1年前までは気にしていなかったのですからその時点ではなんの治療も必要なかったのです。逆に言いますと、「体臭」の治療は「悩み」の治療とイコールということです。
今あなたがワキガ臭についてどの程度気にしているか、この程度が問題なのです。
かりに悩みが強く社会生活にまで影響されている場合には、体臭の悩みから開放され前向きに生きていけるようになるなら治療の意味があるでしょう。
ワキガ治療をしている病院についてですが、今のところ日本でワキガのみを専門に扱っている病院はわたしのクリニックをふくめて2〜3箇所のみです。
残念ながらその全てが自費での診療です。(ワキガは一般的には病気ではないというふうにみなされていることと、専門に1つの疾患の治療だけをした場合には正直なところ保険診療では維持できないことが理由です)
したがって、保険診療でワキガ治療を行う病院となるとさまざまな疾患の手術をおこなう大学病院等の総合病院の形成外科ということになります。
一度、お近くの大学病院に問い合わせてみてください。 以上のように、残念ながら私のクリニックでも保険は扱っておりません(すみません)。
しかし、わたしのクリニックは2000年の時点で開院以来過去17年(わたし自身は20年以上)にわたりワキガ多汗症の治療に専念してきました。豊富な臨床経験とその経験に裏付けされた技術と信頼には自信をもっているつもりです。
このことも理解していただいたいと思います。(クリニックの宣伝になってしまいましたが)
ここで一つだけ大切なことがあります。それは正しい診断です。かりに手術は他の総合病院でされるとしても、ワキガ体質の程度とニオイの強さについての診断はぜひ専門の病院でうけていただきたいと思います。
診察の結果「ワキガでない」または「軽いワキガ臭」ということであれば手術の必要はないのですから。無用な治療は避けるべきでしょう。
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