体臭・多汗に悩む方の心と体の心療室 ニオイの介護

 

ワキガ・体臭・多汗 診察室 ニオイをケアする食生活 …ニオイケアのためのガイド


食事でニオイをケアする


 

梅干はスーパースター
 梅干は、昔から万病の薬とされてきました。食あたり、風邪、頭痛、肩こり、打撲、細菌感染時の下痢など守備範囲が実に広いのですが、これは梅干の強い抗菌作用によるものです。梅干の有機酸には、コレラ菌にも効くほどの強い殺菌作用と、菌の増殖を持続的に抑える静菌作用があります。とくに口の中で繁殖して口臭の原因になる雑菌を抑えることにかけては梅干に勝るものはありません。梅干の力だけでなく、梅干が呼び出す唾液の働きが掛け合わされるからです。梅干と唾液の連携で口の中の雑菌は胃に飲み込まれて胃酸に退治されます。しかも梅干は、胃酸の働きも助けているのです。
 梅干は口臭予防だけでなく、その中のクエン酸によって、体臭や汗のニオイを予防します。梅酢を毎日お猪口一杯くらい飲むのも効果的です。梅酢は、梅を漬けるときに上がってくる漬け汁です。普通のお酢は酢酸ですが、梅酢の場合はクエン酸です。ただし、梅酢には、梅を漬けたときの塩分が含まれていますから、高血圧の方は梅酢のかわりに梅肉エキスがよいでしょう。梅肉エキスは塩分を使わずに梅だけを濃縮したもので、クエン酸も豊富です。

 

りんご+酢で加齢臭を退治
 りんごの消臭効果と酢の消臭効果を掛け合わせて、さらに効果的な消臭食物ができます。それが「酢りんご」です。外国ではりんごを発酵させてお酒をつくり、さらにそれを寝かせてリンゴ酢にするほどですから、本来りんごと酢は、相性が良いのです。
 広口のビンに穀物酢を500ミリリットルほど入れます。皮つきのりんごを四つ切りにして種を取り密閉します。冷しい所で3〜4週間置くと、酢が茶色くなってきてできあがりです。
 お年寄りは、見知らぬ食べ物には手を出したがりませんから、いきなり酢りんごを出すよりは薄くスライスして、酢の物やサラダをさり気なく混ぜるのがよいでしょう。お酢は、調味料のイメージがまだ圧倒的ですが、健康飲料としても見直されています。りんごを漬けた酢も、そのままで少しずつ、またはお猪口一杯くらいを同量の水か湯で割って飲んでもよいでしょう。お腹が温まって、気持ちがホッと落ち着きます。牛乳で割ったり、蜂蜜を加えて飲むのも美味しいものです。お年寄りのためというより、ご家族みんなで愛用してください。

 

りんご繊維でワキガ臭を予防
 介護をしているお年寄りがワキガ体質のこともあります。この場合は、汗が皮膚の雑菌に分解されて独特の刺激臭がします。介護をする人だけでなく、本人もワキガに悩んでいる場合は、口に出せない重苦しい介護になりがちです。
 しかし最近になって、ワキガのニオイ発生のしくみが明らかになりました。体内で「アポたんぱく」という物質を抑えればワキガ臭を抑えるというのです。研究の報告によれば、りんごに含まれる繊維がこのアポたんぱくを減らしてくれるのだそうです。
 中高年になり動脈硬化が進んでくると、「加齢臭」が強くなることもありますが、りんごの繊維は、動脈硬化を低下させることもわかっています。
 すりおろしたりんごをガーゼで絞ったカスを脇の下に湿布しても効果があります。

 

塩はニオイ介護の力持ち
 塩は昔からお清めに欠かせないものでしたが、これはニオイを吸い取る力が強いことも理由のひとつと思われます。魚や肉をさばいた後のまな板も、塩で揉むと、生臭いニオイが取れるほどです。
 塩で身体を揉む健康法も、昔からあります。皮膚でニオイを出す雑菌を殺し、皮膚を引き締めて免疫力をつけてくれます。ひとつかみの塩を入れたお風呂は身体の芯まで温まりますし、出たあとも湯冷めをしません。塩で歯を磨けば歯茎を引き締めてくれるので、歯槽膿漏などの口臭の予防にもなります。
 ハーブソルトをつくってトイレや部屋の片隅に置いてみてください。小皿にひと盛りの塩をフライパンで煎って水分を飛ばします。そこに季節の花やドライハーブなど、お好みの香りを漬け込めばできあがりです。まさに「香りの塩漬け」。周囲のニオイを塩が吸い取りつつ、よい香りを発散してくれます。あまりニオイを吸いすぎたようなら、新しいハーブソルトと替えてください。

 

ビタミンCで活性酵素を退治
 老化にともなう体臭(加齢臭)の予防には、ビタミンEだけでなくビタミンCの効用も大です。ビタミンCには強い「抗酸化作用」があって、加齢臭のもとになる活性酸素を退治してくれるからです。
 ただし、加齢臭の予防にビタミンCをどのくらい摂取すればよいかは、まだはっきりわかっていません。毎日体内で消費されるビタミンCは100ミリグラムと言われていますから、これより多めに摂れば十分でしょう。
 栄養剤から補給するよりも食べ物から摂ることをお勧めします。アセロラという果実には100グラム当たり1700ミリグラムも含まれています。また、グアバ、ピーマンなどにも多く含まれています。
 ビタミンCの補給に劣らず大切なのは、活性酸素そのものを増やさないことです。活性酸素の元凶はストレスです。お年寄りがもし自分の体臭を気にしているなら、それこそストレスでいっそう体臭が強くなる悪循環を生みます。さりげないニオイのケアでお年寄りの悩みを増やさないようにしたいものです。

 


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